アミロイド ポリ ニューロパチー。 全身性アミロイドーシス(指定難病28)

末梢神経障害(ニューロパチー)(まっしょうしんけいしょうがいにゅーろぱちー)とは

アミロイド ポリ ニューロパチー

アミロイドーシスの概略 I. どんな病気ですか アミロイドーシスは線維状蛋白であるアミロイド細線維が細胞外へ沈着する疾患の総称です。 臨床的には複数の内臓器官や末梢神経などが障害される全身性アミロイドーシスと一器官または臓器の局所にアミロイド沈着が起こる限局性アミロイドーシスに大別されます。 生命予後に大きな影響を与えるのは前者の全身性アミロイドーシスであり、限局性アミロイドーシスの大部分は良性な疾患です。 但し、脳アミロイドーシスはアルツハイマー病に代表される認知症を引き起こすため、厄介な疾患です。 どんな病型があり、またどんな症状を出すのですか アミロイドーシスはアミロイド前駆蛋白の生化学的性状を加味して亜型分類されております。 全身性アミロイドーシスでは血清中にアミロイドの基となる蛋白(前駆蛋白)が存在し、何らかの機序で可溶性の前駆蛋白が不溶性のアミロイド細線維として心臓、腎臓、消化管、末梢神経等の身体の重要な組織へ沈着します。 その結果、これらの臓器・組織の機能障害が起こり、患者さんは多彩な全身症状を呈します。 主な症状は不整脈、心不全、蛋白尿、腎不全、食欲不振、頑固な便秘と下痢の繰り返し、手足のしびれと麻痺です。 遺伝性ATTRアミロイドーシスは家族性アミロイドポリニューロパチー FAP とも呼ばれており、多発神経炎と自律神経不全を主症状とします。 わが国では熊本県と長野県にFAP患者さんの集積地がありますが、孤発家系出身の患者さんも全国各地から多数報告されております。 前者に属する患者さんは20~40歳代の若年発症ですが、後者群の患者さんは60歳以降の高齢発症であり、特に男性が8割近くを占めるという特徴があります。 わが国では高齢男性の多発ニューロパチーの原因としてFAPを積極的に考慮する必要があります。 近年、診断法の進歩により本邦においても一定数の老人性全身性ATTRアミロイドーシス患者さんが臨床診断されており、今後高齢者人口の急増に伴いその患者数は増加すると予測されます。 III. 診断を確定する方法は アミロイドーシスの確定診断には組織におけるアミロイド沈着を病理組織学的(顕微鏡観察にて)に証明する必要があります。 通常は身体のどこかの部位から生検組織を採取して、コンゴーレッドという色素で染色します。 アミロイド沈着病変はコンゴーレッド色素で桃赤色に染まり、また偏光顕微鏡下で観察すると黄緑色の独特の偏光を呈します。 組織を採取しやすい生検部位として皮膚、口唇、胃十二指腸粘膜、直腸粘膜等があげられます。 この段階までは一般の病院で行えますが、生検組織を用いてアミロイド蛋白を免疫化学的に同定して、アミロイドーシスの病型診断を行うためには標本を専門的検索が可能な施設へ送る必要があります。 また遺伝性アミロイドーシスが疑われる場合には遺伝子解析が不可欠であり、この場合も患者さんのDNAを専門施設へ送らなくてはなりません。 治療 全身性アミロイドーシスの治療は病型により異なりますが、その原則は体内におけるアミロイド前駆蛋白の産生を停止することです。 具体的には原発性AL型では基礎疾患である形質細胞異常症を化学療法で治療します。 複数の薬剤の組み合わせが有効ですが、自己末梢血幹細胞移植を併用したメルファラン大量静注療法が最も効果がある化学療法です。 反応性AA型では原疾患の徹底した治療が優先されます。 近年は関節リウマチの治療成績が向上しており、反応性AAアミロイドーシスの発生頻度が減少しております。 また腎移植は非常に有効です。 FAPにおいてはアミロイド前駆蛋白である変異(アミノ酸が一個正常とは異なる)トランスサイレチン TTR の大部分が肝臓で産生されているため、肝移植が治療の原則となっております。 しかし高齢発症者は医学的理由により肝移植を受けることができません。 最近、TTR分子がアミロイドに変換されることを阻止する薬剤(ジフルニサル)の投与が試みられており、ある程度の治療効果が発揮されております。 また近い将来、タファミディスという新薬の登場が計画されております。 両薬剤はアミロイド前駆蛋白が正常型TTRであるところの老人性全身性アミロイドーシスにおいても治療効果を発揮することが期待されております。 アミロイドーシス研究における日本人の貢献 年月 研究内容 施設、代表研究者 1968 熊本県荒尾市にFAP集積地を発見。 九州大学神経内科 荒木淑郎 1973 長野県上水内郡小川村周辺にFAP集積地を発見。 東京女子医科大学内科 鬼頭昭三 1981 FAPのアミロイドはプレアルブミン由来である。 宮崎医科大学第三内科 俵哲 1984 FAPの遺伝子診断法確立。 九州大学遺伝研 榊佳之 1985 透析アミロイドーシスのアミロイドはベーター2ミクログロブリン由来である。 新潟大学第二内科 下条文武 1986 老化促進マウスからアポAII由来アミロイドを分離・精製。 京都大学胸部疾患研 樋口京一 1987 FAPモデルとなるトランスジェニックマウスの作成。 熊本大学遺伝研 山村研一 1993 FAPの根治療法として生体肝移植が開始される。 信州大学第三内科 池田修一 1998 動物のアミロイドーシスは個体間で伝播する現象を発見。 信州大学加齢生物医学 樋口京一 2002 角膜アミロイドーシスのアミロイドはラクトフェリン由来である。 熊本大学臨床検査医学 安東由喜雄 2003 原発性全身性ALアミロイドーシスの根治療法として自己末梢血幹細胞移植を併用したメルファラン大量療法が開始される。 信州大学第三内科 松田正之 2004 FAPの薬物療法としてジフルニサルの投与が開始される。 信州大学第三内科 関島良樹.

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TTR

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アミロイドの定義 [ ] (Amyloid)はヘマトキシリン・エオジン染色でみるとエオジンで淡いピンク色に染まる無構造の細胞外沈着物である。 コンゴーレッド染色で赤橙色に染まり偏光顕微鏡で緑色偏光を呈し、では8〜15nmの繊維構造を呈する物質として定義される。 ドイツの病理学者であるウィルヒョウはこの物質の本体を澱粉様物質と考えアミロイド(類澱粉質)と命名したが、その後、この物質の本体は蛋白質であることが判明した。 生体に存在する様々な蛋白がアミロイドになることが知られており、アミロイドが由来する蛋白に対応したアミロイドタンパクの名称が付けられる。 アミロイドが由来する蛋白すなわちアミロイド前駆蛋白は多様であり、一定のアミノ酸配列や構造を有していることはない。 蛋白の違いにかかわらず共通したアミロイドの病理学的性状を呈する。 形成されたアミロイド線維は不溶性であり、組織、臓器に沈着する。 沈着部位や沈着量により臓器の機能不全が生じる。 なおや神経原線維変化は細胞内のアミロイド類似の線維性構造物であるが細胞外沈着物であるアミロイドとは定義上区別される。 アミロイドーシスの分類 [ ] アミロイドーシスは繊維構造をもつ不溶性蛋白であるアミロイドが、臓器に沈着し機能障害をおこす疾患の総称(疾患群)として定義される。 全身諸臓器にアミロイドが沈着する全身性アミロイドーシスと、ある臓器に限局した沈着をしめす限局性アミロイドーシスに大別され、さらにアミロイド前駆蛋白に対応する臨床病型に分類される。 アミロイド前駆蛋白が特定組織に限局すると限局性アミロイドーシスとなり、血液中に存在すると全身に分布するため全身性アミロイドーシスとなる。 全身性アミロイドーシスもアミロイドの組織親和性により様々な沈着パターンを呈する。 全身性アミロイドーシス [ ] ALアミロイドーシス [ ] ALアミロイドーシスは異常形質細胞によって産出されるモノクローナル免疫グロブリン(M蛋白)の軽鎖(L鎖)由来のアミロイドALが全身諸臓器(心臓、腎臓、消化管、肝臓、末梢神経など)に沈着する。 まれに重鎖(H鎖)由来のアミロイドAHが沈着するAHアミロイドーシスがみられる。 ALアミロイドーシスとAHアミロイドーシスを免疫グロブリン性アミロイドーシスとよぶ。 やなどの基礎疾患を伴わない場合は原発性ALアミロイドーシスとよぶ。 原発性ALアミロイドーシスはMGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)に随伴したものと考えられているがMGUS随伴例と骨髄腫随伴例か鑑別困難な例もある。 2004年の日本の統計では免疫グロブリン性アミロイドーシスおよび老人性TTRアミロイドーシスを含めた有病率は人口100万人あたり6. 1人と推定されている。 アミロイドの沈着は心臓、肝臓、腎臓、消化器、末梢神経など多臓器にわたる。 初期には全身倦怠感、体重減少、浮腫、貧血などの非特異的症状があり、経過中にうっ血性心不全、蛋白尿、吸収不良症候群、、起立性低血圧、手根管症候群、肝腫大、巨舌、皮下出血などを呈する。 血管への沈着が著明であれば出血傾向を呈し、紫斑や皮下出血、粘膜下出血を認める。 眼窩周囲に紫斑が認められる場合、アライグマの眼サインと呼ばれる。 末梢神経障害として知覚障害、無感覚、筋力低下を認める。 感覚障害は通常左右対称性で下肢に多く、ときに痛みを伴う。 手根管症候群は他の症状より1年以上先行して見られることが多い。 診断は厚生省特定疾患調査研究班による免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL型)の診断基準と第10回国際アミロイド・アミロイドーシス会議コンセンサス・オピニオンによる診断基準がある。 組織診が重視されるが腹壁の脂肪吸引生検は安全かつ診断率が高い。 ALアミロイドーシスの予後は不良であり無治療例での診断からの生存期間中央値はおよそ13ヶ月である。 特に心病変を有する例は予後不良である。 遊離軽鎖(FLC)も予後因子である。 治療の目標はアミロイド蛋白の原因となっているモノクローナルなFLCの産生を速やかに抑制し臓器機能を温存することにある。 第10回国際アミロイド・アミロイドーシス会議コンセンサス・オピニオンでは原発性アミロイドーシスの治療判定基準がある。 最も有効な治療は65歳未満ならばの自家末梢血幹細胞移植であるが治療関連毒性が多発性骨髄腫の場合と異なり高いため適応は慎重に検討する必要がある。 自己末梢血幹細胞移植の適応がない場合はとの併用療法が行われる。 多発性骨髄腫で行うVAD療法はALアミロイドーシスでは実施する意義が乏しいと考えられている。 AAアミロイドーシス [ ] AAアミロイドーシスはアミロイドA(AA)とよばれる蛋白が線維化し全身の臓器に沈着する疾患である・AAアミロイドーシスは慢性炎症性疾患(特になどの自己免疫性疾患、のような、、Castleman病、still病、かつてはなどの感染症)に合併するため続発性あるいは、二次性または反応性アミロイドーシスともよばれる。 慢性炎症時におもに肝臓から産出される急性期蛋白の血清アミロイドA(SAA)の代謝産物アミロイドA(AA)が腎臓や消化管に沈着する。 SAAは炎症刺激をうけて肝臓で主に産出されるアミノ酸104個、12000の蛋白質である。 異なる遺伝子座に由来するSAA1、SAA2、SAA4のアイソタイプがあり、このうち炎症刺激で増加しアミロイドの前駆体となるのはSAA1とSAA2である。 SAA1がアミロイド前駆体として優位である。 SAA高値の患者の一部にしかAAアミロイドーシスが発症しないことからSAA高値以外の因子の関与が想定されている。 診断の契機となるのは関節リウマチ、結核など慢性炎症性疾患の患者が下痢、麻痺性イレウスなどの消化管症状、蛋白尿や腎機能低下などの腎障害所見が見られた時に疑われる。 臨床的にもっとも問題となる症状は非選択性の蛋白尿、、腎不全といった腎障害や心臓障害である。 アミロイド腎ではアミロイドは腎糸球体、間質のいずれにも沈着する。 糸球体においては糸球体基底膜とメサンギウム領域がアミロイド沈着の好発部位である。 間質においては尿細管基底膜、血管壁などにアミロイドの沈着がみられることが多い。 AAアミロイドーシス、ALアミロイドーシスの比較ではALアミロイドーシスでは糸球体基底膜やメサンギウム領域に沈着が多く、AAアミロイドーシスでは尿細管基底膜などの腎間質への沈着が多い傾向がある。 アミロイド心は欧米ではALアミロイドーシスより頻度が低いとされている。 心症状は拡張不全が早期には主体になると考えられている。 心臓超音波検査でgranular sparkling signがありさらに壁肥厚が認められると予後が悪いとされている。 AAアミロイドーシスの診断は生検で行われる。 症状のある当該臓器で行うか、生検困難な場合は検出感度の高い十二指腸粘膜で行う。 消化管粘膜においては粘膜下層が含まれる厚さで採取する。 腹壁の脂肪吸引生検もよく行われる。 染色はコンゴーレッド染色で判定可能であるが抗AA抗体を用いた免疫染色で確定的となる。 AAアミロイドーシスの予後は診断時期にも左右されるが一般に不良である。 関節リウマチに合併したAAアミロイドーシスにおいては診断後の生存期間は4〜5年とされている。 治療の方法としては原理的にはSAAの産出抑制、アミロイド沈着阻害、沈着アミロイドの溶出、臓器障害に対する対症療法が考えられる。 沈着アミロイドの溶出に有効な薬物は2010年現在存在せず、SAAの産出抑制が最も有効である。 とくに関節リウマチ患者においては炎症を完全にコントロールしSAAを正常範囲に保つことで予後の改善が期待される。 AAアミロイドーシスに対するTNF阻害療法やIL-6阻害療法の有効性が報告されている。 特にIL-6阻害療法の効果が高く今後AAアミロイドーシスの治療の主流になると考えられている。 ATTRアミロイドーシス [ ] 家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy:FAP)と老人性全身性アミロイドーシス(senile systemic amylodosis:SSA)が多い。 家族性アミロイドポリニューロパチーは成人期に末梢神経、自律神経、心、腎、消化管などにアミロイド沈着をきたす常染色体優性遺伝性疾患である。 ()(TTR)遺伝子変異に起因しTTR由来のアミロイドATTRが沈着するTTR型FAPが最も多い。 老人性全身性アミロイドーシスはおもに高齢者の心臓にアミロイド沈着をきたす疾患である。 アミロイドは野生型(正常型)のTTR由来のアミロイドATTRである。 家族性アミロイドポリニューロパチー [ ] 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)とは遺伝的に変異をおこしたトランスサイレチン(異型TTR:ATTR)、アポA Iなどが前駆蛋白質となって繊維状の構造をもつとよばれる特異な蛋白質が神経節を含む末梢神経、自律神経系やほかの組織に沈着することにより臓器障害を引き起こす常染色体優性の全身性アミロイド-シスをいう。 FAPは臨床的に4分類に分類されてきた。 I型とII型はTTRの点変異や欠失による変異TTRが組織沈着アミロイドの原因蛋白質となる。 III型は異型アポリポ蛋白A I、IV型がゲルソリンがアミロイドの原因蛋白質となる。 このなかでATTRが原因となって神経障害や臓器障害が起こるTTR型FAPが最も患者数が多い。 TTR型FAPはポルトガルのAndradeにより末梢神経障害を主体とした家族性の全身性アミロイドーシスとして報告された。 1983年にTawaraらにより最も多いTTR変異である30番目のバリンがメチオニンに変異したタイプ(Val30Met)が報告された。 TTRは127個のアミノ酸からなる蛋白質で100を超える遺伝子異常が報告されており、一部を除きそのほとんどがFAPを引き起こすことが明らかになっている。 FAPは遺伝性ニューロパチーの中ではについで二番目に多いことが明らかにされている。 日本には1000人弱の患者が推定されている。 従来はFAPは限られた集積地のみで認められる非常にまれな疾患で比較的若年で発症すると考えられてきた。 そのような典型例では20歳代後半から30歳代に発症するケースが多く、症状は緩徐進行性で肝移植を行わないと発症からの平均余命は約10年である。 温度覚と痛覚が優位に障害される解離性感覚障害、高度の便秘と下痢に嘔吐発作、起立性低血圧、排尿障害などの多彩な自律神経症状、人工ペースメーカ-の植込が必要とする高度な心伝導障害これらが特徴とされてきたが、このような古典的な特徴は長野県、熊本県など集積地でのみ成り立つ。 また世代ごとにFAPの発症が早くなる世代間促進現象が認められる。 遺伝的な背景がはっきりしない孤発例の高齢発症のFAPが報告されており10:1と男性に圧倒的に多く、自律神経障害が軽微であることが特徴とされている。 このような症例では慢性炎症性脱髄性多発神経炎との鑑別が重要となる。 末梢神経の症状は一般に自律神経、感覚神経、運動神経の順で症状が出現することが多いとされている。 アミロイド沈着により小径無髄線維から大径有髄線維の順に障害が進行するためと考えられている。 感覚障害は通常末梢から上行し、左右対称な手袋靴下状分布を示す。 感覚障害は温痛覚障害が優位で位置覚、触覚、振動覚の障害は軽く解離性感覚障害をしめす。 上肢の症状は手根管症候群によるものが多い。 筋萎縮、筋力低下などの運動神経障害は通常感覚障害より2〜3年遅れて出現し、末梢優位に下肢から上肢へ進行する。 進行例では舌の萎縮や線維束攣縮がみられる。 異型TTRは肝臓以外に網膜からも産生されており硝子体混濁や緑内障がおこる。 一般採血検査では特異的所見はない。 異型TTRは主として肝臓から産生されるが肝実質にアミロイド沈着はほとんどなく、肝機能障害はみられない。 CVRRは低下し、サーモグラフィーでは上肢皮膚温の低下が認められる。 神経伝導速度検査では早期から腓腹神経の感覚神経活動電位の低下、消失がみられ時間とともに下肢のF波の異常、複合活動電位の低下、消失も生じ軸索変性型感覚運動多発根神経炎の所見を呈する。 心エコーでは心室中隔の肥厚、granular sparkling sign、輝度の上昇などアミロイド心筋症の所見が検出される。 発症早期の腓腹神経生検ではアミロイドは血管周囲と神経周膜の一部に微量付着していることが多い。 HE染色のみでは判定は不能でありコンゴーレッド染色、偏光顕微鏡による観察が不可欠である。 末梢神経の生検のトルイチジンブルー染色では無髄神経の脱落に加えて高度な小径有髄線維の減少と大経有髄線維の減少がみられる。 FAPは様々なトランスサイレチン変異による異なった病像があるがその主体は末梢神経障害、自律神経障害、心、腎、消化管、眼の症状にまとめられる。 確定診断には生検組織のコンゴーレッド染色、抗TTR抗体を用いた免疫染色などの組織診断および血清診断や遺伝子診断を用いて行う。 しかし眼に沈着するアミロイドは抑制できず眼症は移植後も進行する。 TTRがアミロイドを形成するためには四量体から単量体への解離と単量体への変性が必要である。 や(Fx-1006Aまたは)がTTR四量体を安定化させアミロイド線維形成の阻止が期待されている。 またsiRNAを用いた遺伝子サイレンシング、ワクチンや抗体を用いた免疫療法も根本的な治療として期待される。 老人性全身性アミロイドーシス [ ] 心室へ大量にアミロイド沈着を生じて臨床的に難治性の不整脈と心不全をきたす病態は老人性心アミロイドーシス(senile cardiac amyloidosis)とよばれ、欧米では以前から高齢者の心疾患の重要な原因として位置づけられていた。 老人性心アミロイドーシスは長年、心臓に限局したアミロイドーシスと考えられていた。 しかし1980年代に本疾患のアミロイド構成蛋白がTTRと判明し全身性アミロイドーシスと判明した。 そして心臓以外にも肺、腎臓、全身の小血管にアミロイドが分布することが明らかになった。 また1990年代にはアミロイド構成蛋白が変異TTRではなく野生型TTRであることが判明した。 従来、老人性アミロイドーシスと呼ばれていた病態においては心臓以外の複数の全身臓器がアミロイド沈着で侵されること、血清中にアミロイド前駆蛋白が存在することから全身性アミロイドーシスの基準を満たし本疾患は老人性全身性アミロイドーシスと呼ぶようになった。 臨床症状には主体は心症状と手根管症候群である。 前者の初発症状は心房細動であり、ついで進行性の心不全を呈する。 心房細動に起因する脳塞栓を併発することがある。 手根管症候群は両側性であり心不全の出現に数年先行することが多い。 そのほかに由来のアミロイドが沈着するプリオン病などがある。 内分泌アミロイドーシス [ ] ホルモン産出部位でホルモン由来のアミロイドが沈着する。 限局性結節性アミロイドーシス [ ] 肺、咽頭、消化管、膀胱、尿管などに限局性で結節性のアミロイド沈着を認める部位がありアミロイドはALである。 アミロイド沈着部位にモノクローナルな形質細胞浸潤を認める場合があるが、全身性ALアミロイドーシスと異なり血中にはM蛋白は認められない。 その他の限局性アミロイドーシス [ ] 皮膚アミロイドーシス アミロイド苔癬、結節性アミロイドーシス、斑状アミロイドーシスの3つに分類される。 アミロイド苔癬はアミロイド原線維は皮膚のケラチンであり下腿に斑状の非常にそう痒のある紅褐色調の丘疹を呈する。 結節性アミロイドーシスのアミロイド原線維は単クローン性免疫グロブリンであり四肢、顔面または体幹に単発ないし多発性の平滑な、結節性病変を呈する。 紫斑の有無は問わない。 斑状アミロイドーシスのアミロイド原線維は皮膚のケラチンであり上背部に好発し、そう痒を伴う。 灰色褐色、網様の黄斑病変で、しばしば特徴的なさざなみ型のパターンを呈する。 各国において [ ] 日本 [ ]• 社会的影響• 病気の認知と、病態の理解、治療などが与えられてきた社会的影響• 日本においては(難病)に指定されている。 出典 [ ] 参考文献 [ ]• アミロイドーシス診療のすべて 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]•

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アミロイドーシスについて >> 日本アミロイドーシス学会はアミロイドーシスの成因と病態、診断法、治療法の情報交換を促進することを目的としています。

アミロイド ポリ ニューロパチー

報道関係各位 2017年6月9日 ファイザー株式会社 「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTR-FAP)」 は、希少疾患であり難治性神経疾患の一つです。 遺伝性の疾患で、患者が集積する地域があることが分かっています。 日本は、ポルトガルやスウェーデンとならぶ世界的な患者集積地の一つで、国内において約400名がATTR-FAPと診断されています。 しかし、近年、遺伝性疾患であるにも関わらず家族歴が明確ではなく、発症後もATTR-FAPだと診断されていない患者さんが日本全国に潜在している可能性が指摘されており、未診断の患者さんも含めると推定患者数は700名です。 6月10日は、ポルトガルの医師であるCorino Andrade教授の誕生日にあたります。 Andrade教授は、医学界においてATTR-FAP患者さんの発見からケアに尽力し、大きな功績を残しました。 その貢献を称え、毎年6月10日は「世界ATTR啓発デー」とされています。 【安東 由喜雄先生のコメント(熊本大学大学院生命科学研究部 神経内科学分野 教授)】 「ATTR-FAPは亜急性に進行する慢性のポリニューロパチーで、常染色体優性遺伝を示します。 アミロイドが全身にわたり沈着するため、多臓器障害を引き起こし多様な臨床症状がみられます。 有効な治療を行わなければ、発症から平均10年で死亡に至る予後不良な疾患です。 タファミジスが発売される以前は、ATTR-FAPの治療法は肝移植と対症療法しかありませんでした。 日本においては、2013年に初めて、ATTR-FAPの神経障害の進行を抑制する内服薬であるタファミジスが発売されました。 その後、使用経験が積まれ『アミロイドーシス診療ガイドライン2017』では病態抑制的治療として、タファミジスによる薬物治療が推奨されています。 現在、我が国で使用できる唯一の内服薬です。 ATTR-FAPの治療は早期から開始することでよりQOLを維持することが可能です。 しかし、現状は、家族歴が明確ではない患者ではATTR-FAPを発症してから治療が開始されるまでに平均約4年かかっているという調査報告もあります。 ATTR-FAPは希少疾病であること、また特異的な臨床症状がなく、全身に多彩な症状を呈することから、診断が難しいことがその要因の一つです。 ATTR-FAPの診断には、原因不明のポリニューロパチーや全身性疾患を呈する患者を前にした時、ATTR-FAPの可能性を疑い鑑別疾患に挙げていただくことが重要です。 また、一般向けのATTR-FAP啓発サイトを開設しております(日本語)。 いまだ正しく診断がなされていないATTR-FAP患者さんが、一日も早く適切な治療が受けられるよう、その一助になることを目指しています。 本サイトでは病態・疫学・診断・治療に関する情報を患者さんやご家族の皆さまへ発信しています。 参考資料 【トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTR-FAP)について】 トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTR-FAP)は、遺伝子変異を有するトランスサイレチンが原因となり、神経や心臓、眼など全身の臓器へのアミロイド沈着により機能障害を起こす疾患です。 下肢の感覚障害、疼痛筋力低下を特徴とするポリニューロパチーなどの症状や、勃起不全、下痢便秘交代症、意図しない体重減少、起立性低血圧、尿失禁、尿閉、胃内容物排出の遅延などの自律神経系障害のため、クオリティ・オブ・ライフが大きく低下します 1,2,3,4。 ATTR-FAPは、進行性で、発症から平均10年で死亡に至ります 1,4,5。 J Adv Nurs. 1998;27:52-58. Benson MD, Kincaid JC. The molecular biology and clinical features of amyloid neuropathy. Muscle Nerve. 2007;36:411-423. Hou X, Aguilar M-I, Small DH. Transthyretin and familial amyloidotic polyneuropathy: recent progress in understanding the molecular mechanism of neurodegeneration. FEBS J. 2007;274:1637-1650. Sekijima Y, Yoshida K, Tokuda T, Ikeda S. Familial transthyretin amyloidosis. In: Pagon RA, Bird TD, Dolan CR, Stephens K, eds. GeneReviews [Internet]. Seattle WA: University of Washington, Seattle; 1993-2009. ncbi. nlm. nih. Accessed January 31, 2011. Diagnostic pitfalls in sporadic transthyretin familial amyloid polyneuropathy (TTR-FAP). Neurology. 2007;69:693-698. ファイザーと希少疾病について 希少疾病は、あらゆる病気の中でも特に深刻であり、世界中の3億5,000万人の患者さんに影響を及ぼしています。 希少疾病の患者さんとその大切な人々は、より良い治療オプションを待ち望んでいます。 その切迫した状況の中、ファイザーは、革新的医薬品を患者さんに届けるべく、世界的な展開を活かし、リソースと専門知識を積極的に投入しています。 希少疾病に対するファイザーの重点的取り組みは、20年以上にわたる経験と、血液、神経、遺伝性代謝性疾患、呼吸器の領域における20種類以上の化合物からなるパイプライン、および世界中で承認された20種類以上の医薬品からなるグローバルポートフォリオに基づいたものです。 ファイザーの希少疾病部門では、科学技術を根拠として、多くのファイザー社員の力を合わせ、希少疾病患者さんに貢献すべく日々尽力しています。 ファイザーについて:より健康な世界の実現のために ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。 私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。 当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。 ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。 卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。 私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。 詳細は当社のウエブサイト()をご覧ください。 また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、次のホームページよりご覧いただけます。

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