テレワーク うつ 病。 テレワークが終わった「アフターコロナうつ」に要注意(日刊ゲンダイDIGITAL)

テレワークや外出自粛時の糖尿病重症化予防

テレワーク うつ 病

新型コロナウイルスの感染拡大 COVID-19 の影響から、テレワークを取り入れる企業が増えています。 社員にとっては通勤のストレスがなくなり、余裕が出ることで作業効率が向上するなど、メリットが注目されるテレワークですが、中には慣れない在宅勤務の環境から、憂うつな気持ちを抱えてしまう人も少なくないようです。 新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークも急拡大 「離れた場所で」という意味の「テレ(tele)」と「ワーク(work)」と組み合わせた言葉であるテレワークは、テレビ通話やチャット等のICT(情報通信技術)を活用し、自宅やサテライトオフィスなど、会社以外の場所で仕事をする働き方のことです。 通勤混雑の解消や地方活性などを目的として、2000年代から政府により推奨されてきましたが、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令されたことを背景に、急きょ取り入れる企業が続出しました。 テレワークを導入することは、労働力不足の解消やコスト削減など、企業側にとっても多くのメリットがあり、従来の労働価値に一石を投じる新しい働き方とされています。 テレワークのメリットとは? テレワークのメリット 企業にとって、テレワークの導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。 主なメリットを解説していきます。 優秀な人材の確保 テレワークを選択できることで、これまで育児や介護などのライフイベントで休職や退職をせざるを得なかった社員も、キャリアを継続させることが可能になります。 育休や介護休暇をとる30~50代の社員は企業にとっても貴重な戦力です。 特に、採用難が続く昨今の情勢においては、優秀な社員が働き続けられることは大きな利点といえます。 ワーク・ライフ・バランスの実現 テレワークによる最大の変化は、通勤時間を削減し、余暇や勉強に仕える時間を捻出できることです。 これまで1~2時間かけていた通勤時間を、家族と過ごす時間やスキルアップの勉強時間に充てることで、プライベートと仕事の調和を図りながら、充実感を持って生活できるようになります。 また、ワーク・ライフ・バランスが実現していることは、企業イメージを向上させ、採用難の解消にもつながります。 コスト削減 社員の通勤交通費や、光熱費、設備費等のオフィス維持費などを削減できます。 仕事のやりとりが全てICT化し、ペーパーレスが実現すれば、その分の消耗費もカットできます。 さらに、テレワークを一部導入して出社する社員数を減らすだけでも、オフィススペースを削減して維持費や賃料を抑えることも可能です。 事業継続性の担保 今回のような感染症の蔓延や大きな災害の発生など、社会が非常事態に陥って社員の通勤が困難になった場合でも、事業を継続または早期に復活させて業績悪化や倒産などを防ぐことができます。 以前には、2011年の東日本大震災の直後や、その後の計画停電を機に、テレワークを導入した会社が多く見られました。 社員がテレワークでも業務が可能な環境やルールを日頃から整えておくことは、事業継続性という点で非常に有効です。 その原因を解説します。 仕事と私生活のメリハリがなくなる テレワークは場所にも時間にもとらわれない、自由な働き方が実現する一方、全てが自分次第なので、慣れていないと時間管理が難しい側面もあります。 仕事をする時間帯や負荷を自分で決められるところは利点ですが、注意しないといつまでもダラダラと仕事を続けてしまい、オフィス勤務よりも長時間労働になってしまうことも少なくありません。 生活リズムが崩れる 同時に、好きな時間に起きてダラダラと仕事をしてしまうことで、生活リズムが崩れてしまうという事態もよくあることです。 通勤が無くなることで早起きする習慣が無くなってしまい、昼近くに起きて、夜遅くまで仕事をし、昼夜逆転生活になってしまうことも珍しくありません。 運動不足 通勤で歩く時間が減るだけでなく、外に出る機会も少なくなってしまうことで、運動不足に陥る人も多いようです。 一日中PCに向かっていると、腰痛や肩こりの原因にもなってしまいます。 体を動かさず、ずっと部屋にこもっているだけでも、気分がふさぎ込んでしまうため、意識的に身体を動かす必要があります。 コミュニケーション不足 遠隔でコミュニケーションをとっていると、休み時間に仲間と世間話をしたり、仕事が行き詰った時に相談をするなど、オフィス勤務では当たり前に行ってきたやりとりが希薄になってしまいます。 社員が孤独感を感じるだけでなく、やりとりが上手くいかず、業務に支障が出てしまうような状況になると、社員がストレスを抱える原因にもなってしまいます。 仕事のプレッシャー 姿が見えない分、成果を出さなければと焦ってしまい、頑張りすぎてしまうといった声もあがっています。 私用や休憩に時間を使って仕事をサボっていると思われたくないという気持ちから、しっかり成果でアピールしなければと、プレッシャーを感じてしまう人もいるようです。 対策の具体例を紹介します。 朝礼や定期報告 自宅にいる社員の生活リズムを整える取り組みとして、ZOOMによるビデオ通話など、ICTツールによる朝礼や業務後の報告会を導入すると、社員の業務にメリハリを持たせることができます。 毎朝決まった時間に朝礼を行うことで、起床時間が遅くなってしまうことを防止できますし、業務後の作業報告会によって、ダラダラ仕事を続けてしまうこともなくなります。 また、朝礼で一日の目標を共有し、業務後に進捗報告をすることで、成果の管理もしやすくなります。 快適な作業環境の整備 上司と連絡がとれない、必要な情報になかなかアクセスできないなど、社員が業務を進める上でストレスを感じないよう、自宅でもオフィスと変わらないスムーズな作業環境を整えることも急務です。 具体的には、チャットツールの導入や、データ共有用のクラウドサービスの準備などがあげられます。 データ共有は、社内の重要情報をやりとりするため、セキュリティ対策のしっかりしたものを選ぶ必要があります。 多様な形式のデータが共有できるクラウドサービス 「BOX」では、定期的なセキュリティ試験が行われているだけでなく、権限の振り分けやアクセスログの監視もできるため、企業利用でもおすすめです。 気軽なコミュニケーションの場を設ける コミュニケーション不足の解消として、ビデオ通話を利用してコミュニケーションの場を設ける企業も出ています。 外出自粛が続く中で、ビデオ会議アプリの 「Zoom」を利用した 「Zoom飲み会」という言葉も注目されています。 Zoomは招待URLの共有だけで手軽に通話を開始でき、安価なプランでも機能が充実していることから、利用する企業が増加しています。 業務の報告をする場ではなく、普段と同じ雰囲気で雑談や相談ができる場を設けると、ストレスを発散してメンタル管理になります。 ただし、それぞれの事情を考慮して、参加を矯正するのではなく、入退室自由にするなど、負担なく参加できる形式を心がけてください。 適正な業務の評価基準 人事部としては最も配慮しなければならないのが、社員がやりがいやモチベーションを失わないよう、在宅での勤務をどう評価していくのかという点です。 毎日一定の成果を設定し、業務量を担保する必要がありますが、評価が成果だけに偏りすぎても社員が満足感を感じられません。 「チームとしっかり協働していた」「スムーズに連絡に応じた」など、過程も評価する姿勢が求められます。 さらに、各自が在宅していても評価内容を共有できるよう、クラウド化できるサービスを利用することが最適です。 テレワークでも社員を正しく評価。 人事評価はクラウドシステムがおすすめ 企業にとっても社員にとってもメリットの多いテレワークですが、普段と違う自宅での作業環境がストレスになってしまい、憂うつな気分を抱えてしまう社員も見られるようになっています。 在宅ストレスを軽減するためには、遠隔でのコミュニケーション体制やクラウドを利用したデータ共有など、体勢を整えておく必要があります。 新型コロナウイルス感染拡大のような不測の緊急事態でも、業務に支障をきたさないよう、日頃から体制を整えておくべきです。 その中でも、社員のモチベーションに直結するのが人事評価です。 昨今のコロナウイルスの感染拡大・ 緊急事態宣言を受け、企業は待ったなしで在宅ワークにシフトせざるを得ない状況となっております。 テレワーク経験のある管理職に調査を実施したところ、「テレワーク時の人事評価はオフィス出社時と比べて難しい」…73. 7% 「テレワークを前提とすると、人事評価制度を見直し・改定する必要がある」…52. 4% と、人事評価に課題を感じている方が多くいらっしゃいます。

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「テレワークうつ」に要注意! 満員電車のストレスがない一方、パニック・虐待など心身不調も (1/2ページ)

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最初は、通勤のストレスが無くなった、会社に行かなくなって楽になったと喜んでいた人が大多数でした。 当方も、あの満員電車や乗り換え、駅から会社まで歩くしんどさから解放されて、身体的にも精神的にもストレスは減っていくものだと思っていました。 テレワークでストレスが増える? しかし、テレワークが始まり2週間が経つくらいから、少し風向きが変わってきました。 最初はテレワークで楽に感じていた人の中に、次のような訴えをされる方が増えてきました。 「テレワークに疲れてきました」• 「最近やる気がなぜかなくなってきました」• 「通勤がなくなって楽になったせいか、眠れなくなりました」• 「自分の時間がなくて、気が休まりません」• 「職場に行きたくなってきました」• 「上司の評価が気になってきました」• 「サボっていると思われているじゃないかと不安で」• 「みんな(同僚や先輩)がどのくらい仕事をやってるか気になって、ついつい残業してしまう」• 「いつ休んでいいかわからなくなって、ついつい昼も食べずに時間が過ぎます」• 「オンとオフの切り替えがわからない」• 「このままテレワークが続くとしんどいです」 そして、最後には 「うつになりそうです」と。 このような訴えを4月に入り顕著に聞かれるようになりました。 便利なはずのテレワークが、脳疲労を起こす? これは、いけないと感じ、なぜ最初 「楽に感じていた」テレワークが、「うつになりそうな」ほどのストレッサーとなってしまったか考えました。 答えは、「脳疲労」でした。 当医が考える、テレワークがストレッサーに換わってしまう要因として以下が考えられます。 1:オンとオフの切り替えが出来づらい• 2:慣れない環境、変化への対応がストレス• 3:人とのコミュニケーションの煩雑さ• 4:「いま、ここ」から幻想ストレスへのシフト• 5:仕事というストレッサーと、新型コロナウイルスというストレッサーへの連続暴露 1:オンとオフの切り替えが出来づらい 通常職場に行けば、おのずと就労開始時間があり、昼休みがあり、就業終了時間があり、残業開始時間もあります。 テレワークでは、このような時間の切り替えが上手く出来なくなる傾向があります。 昼休みは、食べながら仕事を同時進行してしまったり、残業という概念がどうしても自宅では感じられず、だらだらと夜まで仕事をしてしまう人もいます。 また、午前中の仕事モードと、午後の仕事モード、残業に入ってからの仕事モードとそれぞれ、やる気、意欲の持続時間、疲れ具合は違いますよね。 人は自然に、自分のやる気モードを変えているものです。 残業時間に、午前のように集中している人はいませんよね。 モード切替タイミングを失ってしまう 在宅でのテレワークでは、このようなモードが上手く切り替えられなくなってしまいます。 通勤時間も意外とプライベートの時間としての機能はあります。 仕事が終わって、家に帰るまで一人の時間が取れ、オンとオフの切り替えのスイッチにもなります。 また、外出制限で、普段なら仕事帰りに行けた、カフェやジム、ヨガという切り替えのスイッチが利用できません。 2:なれない環境、変化への急激な対応がストレス PCやネットワークに詳しい人は違いますが、当方もそうですが、テレビ会議、スカイプ。 まあ、このくらいであれば何となくわかりますが、WebEX?、Zoom?。 ここまでくれば、私にはアナザーワールドです。 何ですかそれ?レベルです。 このような変化が、ゆっくりと、慣れる時間や詳しい人から丁寧に教えてもらう事無く、一気に押し寄せてきます。 新型コロナウイルスのせいで、いきなりスペックアップをしなくてはなくなります。 これは人によりますが、私のようなガラケー愛用者レベルでは、思いっきりストレスです。 そして、在宅で家族がいる中での仕事となると、仕事をしている本人に加えて、ご家族も本人に気を遣い、双方ストレスを感じます。 3:人とのコミュニケーションの煩雑さ 嫌な上司や、くどい先輩などと接する時間が少ない分、テレワークは楽です。 このようなストレッサーからは解放されます。 しかし、会社にいればすぐ聞けること、メールするまではないけどちょっと聞きたいこともテレワークでは一苦労です。 職場であれば、なんとなく上司の忙しさや表情を見て、「今なら聞きやすいな」、「後で聞いた方がよさそうだな」など自然にわかります。 これがテレワークでは、わからず、「いまメールしていいのかなぁ」、「来たメールすぐに返さなければならないかなぁ」、「今電話で聞いて迷惑でないかなぁ」など会社にいれば感じないストレスも増えます。 人に電話するのって、ストレス感じません?私は感じます。 また、いつかかって来るかもしれない電話の着信音も、相当ストレスです。 私は、電話の着信音、嫌いです。 4:「いま、ここ」から幻想ストレスへのシフト これは、最も私が感じる事です。 会社にいれば、「いま、ここ」のストレスですみます。 つまり、「同僚がどのくらい仕事をしているか(または、サボっているのか)」、「上司がどのくらいの事を言ってくるか」、「みんなどのくらいの時間デスクに向かって仕事をしているか」、「仕事が終わらなくても、みんな何時まで残業しているか」など「いま、ここ」のストレスで済みます。 現場がないというストレス これが、テレワークでは、「いま、ここ」から強制的に脱却させられます。 つまり、自分の頭の中で、幻想というストレスを作ってしまいます。 「同僚がどのくらい頑張っているのか」、「みんな遅くまでメールを返してくるけど、その時間までずっと仕事しているのかなぁ」など、これはあくまでも予想しか出来ません。 遅くにメールしてくる同僚は、それまでの時間サボっていることもありえますよね。 つまり、予想という自分で作り上げた幻想でしかすぎません。 自分で作り上げたストレスで、心が疲れる。 これって、自分で自分を殴る「一人ボクシング」ですよね。 もしそうだとしたら、ドMです。 5:仕事というストレッサーと、新型コロナウイルスという ストレッサーへの連続暴露 これは、直接テレワークからもたらされるものではないですが、関係はあります。 つまり、日中は仕事(テレワーク)というストレスに暴露されて疲れます。 そして、一応仕事を終わらせ、仕事のPCを閉じる。 本来はそこで、帰路につき、ストレッサーから解放されます。 しかし、今は、TVでどのチャンネルを回そうが、「コロナ関連ニュース」です。 嫌になって、スマホを見ても、またしても、「コロナ関連ニュース」。 コロナ関連の情報を得たい気持ちはわかりますが、このニュースを見る事、相当なストレスですよ。 いつもなら、仕事が終わると、ストレッサーから解放されますが(家庭、プライベートの問題を抱えている人は別ですが)、昨今のコロナ騒動で、仕事が終わった後も、新型コロナウイルス情報というストレッサーへ連続して暴露されます。 過覚醒による脳疲労 では、これらテレワーク関連ストレスに暴露され続けると、どのような状態になってしまうかですが、 過覚醒による脳疲労です。 過覚醒とは 過覚醒とは、自律神経(交感神経、副交感神経)のうち、交感神経が過剰に高ぶっている状態です。 交感神経とは、覚醒時に高くなる神経で、危機的状況を乗り越えようとするときや、ストレスに立ち向かうとき、また、新たな状況や環境に適応しようと頑張っている場合にも高まります。 そして、それらストレスから解放されリラックスできる状況になると、交感神経が下がり、逆に副交感神経が上がり休息状態となります。 副交感神経は、リラックスのほかに、内臓機能や免疫を調整する役目を担っています。 交感神経が反応することは自然な防衛反応ですが、人に期待に応えようと過剰に頑張ってしまったり、常にストレスにさらされる場合では、交感神経が常に刺激され、本来リラックスできる状況になっても下がらなくなってしまいます。 このように交感神経が常に優位になっている状態が過覚醒です。 引き起こされる様々な症状 過覚醒になると、交感神経が常に高ぶっているので、動悸、口の乾き、肩こり、頭痛、寝付きが悪く、睡眠が浅くなり些細な物音で起きてしまったりします。 そして、副交感神経が抑制されているので、胃腸など内臓の機能が低下し、胃痛、吐き気、腹痛が起こります。 また、これら自律神経のバランスが乱れる事によって、喘息発作やじんましん、円形脱毛、月経不順などを生じたりします。 さらに、この状態が長く続くと敏感さが増し、些細なことが気になり頭から離れなくなり、頭が休息出来ない状態となります。 脳というバッテリーが、放電しっぱなしで充電ができない状態が続くと思うとわかりやすいかもしれません。 その状況が続くと、当然脳というバッテリーが疲弊し脳疲労をきたします。 脳疲労により、頭が疲れやすくなったり、頭の回転が低下し、集中力が低下し、いつもだったら数分で作れる報告メールも1、2時間かかってしまうなんとこともあります。 しかし、やはりまた、自ら作り上げた幻想と戦ってしまい、「メールが作れないのは自分が怠けてるからだ」、「テレワークで集中できないと、サボっていると思われる」など一人ボクシングを行い、脳が疲弊しているにも関わらず、もと「頑張って」しまいます。 ただでさえ、放電しっぱなしで充電できていないバッテリーに鞭を打つわけですから、脳という臓器は障害を受けます。 その結果、最悪、うつ状態、つまり 「テレワークうつ」となってしまいます。 テレワークうつ関連コラム• テレワークうつ 最新情報 院長コラム 病気のコラム.

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「テレワークうつ」に要注意! 満員電車のストレスがない一方、パニック・虐待など心身不調も:イザ!

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肥満はうつ病リスクを1. 5倍に高め、うつ病は肥満のリスクを1. テレワーク、休校、外出自粛と、メリハリの付けにくい自宅ごもりの生活を健康的に乗り切るためにはどうすればよいのか。 精神栄養学の第一人者である帝京大学医学部精神神経科学講座教授・功刀浩(くぬぎ・ひろし)氏に話しを聞いた。 慢性的なストレスによって太りやすい人が多いんです。 人は、ものすごく大きなストレスがかかると食欲が減退しますが、日常的な中程度のストレスでは空腹を感じて食欲が増し、食べすぎてしまうからです。 肥満になると脂肪細胞がパンパンに膨れて、体内に炎症を引き起こすホルモンを分泌します。 それが脳に達してダメージを与えると、うつ病や認知症の発症の原因になると考えられています。 近年、うつ病とメタボリック症候群には深い関係があることが、多くの研究から示されています。 肥満はうつ病リスクを1. 5倍に高め、うつ病は肥満のリスクを1. 5倍に上げるというデータがあり、双方向の関係にあるといえます」(功刀氏 以下同) 肥満とは、どの程度のことをいうのだろうか。 ですが、もともとメタボ気味の人だったら、テレワークで食生活が乱れがちになると、リスクは高まると思います。 普段外で働く場合とは違って、通勤、外回り、接客といった仕事での運動量がかなり減るでしょうし。 夜ふかしをして睡眠不足になることもあるでしょう。 不安が続くと、不眠にもつながります。 単に食べすぎが主な要因になるということではなく、睡眠、運動、食事、いろいろなことが重なって負のスパイラルにはまり込むということです」 うつ予防には、地中海式食事(野菜、果物、種実類、豆類、魚介類、オリーブ油を豊富に、穀類、適量の赤ワインを加える)や、伝統的な和食(塩分控えめ)プラス乳製品が効果的とされる。 手軽で魅力的だが、白米の丼物やラーメンは要注意 うつは生活習慣病の一つである 「ストレスがかかって、食欲が増えたとします。 原始時代だったら、動物と戦ったり、たくさん歩いて食物を探したり、十分にエネルギーを使ったので食べてもいいんです。 日中、体を動かしたので、日が落ちて暗くなったら自然に眠ります。 夜ふかしをして、夜食を食べることもありません。 現代の日本では、食べるために動物と戦ったり、食物採集するために歩き回るということがありません。 ところが我々の遺伝子は原始人とほとんど変わっていない。 結局、ストレスで増えた食欲により過剰摂取したエネルギーが、使われずに体に蓄積されて、メタボリック症候群や、糖尿病などの様々な病気を発症してしまいます。 2000 年頃から、うつ病と生活習慣病の関連について盛んに研究されるようになり、うつ病も生活習慣病の一つであるという考え方が広まってきました。 肥満とうつ病は双方向の関係にあるといいましたが、実際、バランスの取れた食事をしている方が、うつ病になりにくいという報告があります」 カロリー過多の一方、加工された食品を多く摂ることでの栄養不足も問題だという。 「砂糖や白米、白いパンなどのように精製された食品や、加工、調理された食品は、美味しく、口当たり良くするために、食べにくい部分等が取り除かれています。 そのために自然のままの食材とは違ってビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールといった重要な栄養素が不足しやすいんですね。 うつ病の患者さんには肥満が多いにもかかわらず、栄養が足りていないという場合が多いのです」 うつ病患者の食事では、ビタミンB群や葉酸、ビタミンD、鉄分、亜鉛、神経伝達物質の原料になるアミノ酸(トリプトファン、メチオニン、チロシン)、DHAやEPAなどの不足が指摘される。 葉物野菜や納豆などに含まれる葉酸は、不足すると意欲の低下やうつ状態を招く。 トリプトファンは、不安感に関与するセロトニンや睡眠物質のメラトニンの材料になるため、不足するとうつや不眠のリスクをあげる。 チロシンは意欲や興味、学習、覚醒に関わるドーパミン、ノルアドレナリンの材料になる。 鉄分や亜鉛の不足は、心身の疲労や集中力の低下などを引き起こす。 うつ病リスクを高めないためには、特に、魚、大豆製品、レバー、野菜を注意してとることが大切だとわかる。 腸内細菌叢(腸内フローラ)は、がんや糖尿病、肥満などの生活習慣病や花粉症などのアレルギー症状に影響していることがわかっているが、脳の健康にも大きな影響を与えている。 「腸内環境を整えることも大切です。 腸内細菌が不足すると、体内に炎症を引き起こし、脳を含む様々な部位にダメージを与えます。 対人関係や仕事のストレスのように自覚できるもの以外に、知らず知らずのうちに心や体を蝕んでいくストレスもあります。 エネルギー過剰と栄養不良、運動不足、睡眠不足。 基本的な生活の乱れが慢性的なストレスとなり、脳と体にダメージを与えます。 とくに睡眠不足は、日中、元気に活動できないため睡眠の質がさらに悪化し、ストレスがどんどん溜まります。 睡眠障害がないうつ病というのは、ほとんどありません」 2011年から、精神疾患は、がん、糖尿病、脳卒中、心臓病とともに国民の「5大疾病」の一つに位置づけられた。 5大疾病の中では、精神疾患の患者数がもっとも多く、なかでも、うつ病患者の数は非常に多い。 「今、世界中で、20人に1人がうつ病といわれ WHOの報告による 、現代では誰でもなる可能性があります。 近年、企業で長期休暇をとっている人の50%がメンタルによる病気休養なんです。 1990年代から我々も、この状況への対策の必要性を政府に訴えたりしていました。 現在は、健康診断に加えてストレスチェック制度が施行されており、50人以上の従業員がいる事業所に、1年に1回 のチェックが義務付けられています。 実際に行なわれている内容は、うつ病チェックが目的といえるでしょう」 体内時計のリセットに、朝の光と朝ごはん! 「我々の体には体内時計があって、睡眠や覚醒をコントロールしています。 そして、脳や皮膚、血管、肝臓を含め体内のほぼすべての臓器には時計遺伝子が存在して、生体リズムを刻んでいます。 これらがばらばらでなく同期していることが大事なんです。 たとえば、夜ふかしをすると、脳の遺伝子は『頑張れ』と言っているけれど、体は『眠い』というようなことが起こります。 すべての細胞が同じリズムで、頑張るときと休むときが揃っているのが理想。 あっちの細胞は活動モード、こっちの細胞は休憩モードと異なっているのでは良いパフォーマンスは望めません。 ヒトの体には、太陽とともに目覚めて昼は活動し、夜は眠るという基本的なリズムが刻まれていて、どんなに時代が変わっても、我々の体内時計は太古と同じリズムを刻んでいます。 ですから、太陽に同期して生活するのが一番いいんです。 そのためには、毎日同じ時間に起き、朝日を浴びて、朝食を食べるのが重要です。 日光を浴びることで脳の体内時計がリセットされ、朝食をとることで身体のスイッチが入るので、脳と身体が一斉に活動体制になって、仕事や勉強のパフォーマンスが上がります」 運動中に大きな息をすると、ウイルスを空気中にまき散らす可能性も。 ウォーキング、ジョギングの際は、マスク等で口元を覆い、他の人と十分な距離をとるなど、エチケットを意識したい。 「通常時の通勤時間に合わせてウォーキングするのもおすすめです。 室内で運動するのでもいいのですが、太陽を浴びることがやはり大事。 ウォーキングですと、何か障害物があったら避けたり、周りの景色を見たり、脳を働かせます。 あまり遅い時間は体内時計に影響が出るのでおすすめしません。 運動は遅くとも21時までにしたほうがいいですね」 ほどよい食事、運動、睡眠。 当たり前と思える生活が、実際にはなかなか難しい。 しかし、逆に考えれば、今一度、生活習慣を見直し、整える良い機会なのかもしれない。 1986年東京大学医学部卒。 ロンドン大学精神医学研究所、帝京大学医学部精神科学教室講師を経て、2002年、国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第三部部長、2020年4月より現職。 日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床栄養学会認定臨床栄養医・指導医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、日本睡眠学会睡眠医療認定医、日本臨床栄養協会 NR・サプリメントアドバイザー。 『こころに効く精神栄養学』(女子栄養大学出版部)、『心の病を治す食事・運動・睡眠の整え方』(翔泳社)他、著書多数。 取材・文:藤岡佳世 写真:アフロ.

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