パブリック ボーイズ。 パブリックスクールで夢を見ていた少年は大人になり、偏見に立ち向かいながらアートとは何かを考える(樋口美沙緒『パブリックスクール』シリーズ)

パブリックスクール ―檻の中の王― (キャラ文庫)

パブリック ボーイズ

数年前に読んでつらいなぁと感じ、再読したら良かったのでレビューします。 貴族社会、近親相姦、いじめ、寮生活等のテーマが入っている小説です。 受けと攻めの性格にかなり 癖があります。 受け…中原礼。 イギリス貴族の私生児(恐らくエドワードの叔父)母が亡くなって父の息子であり異母兄の ジョージに引き取られる。 ジョージの息子エドワードは彼を「sacrifice(生贄)」と呼ぶ。 エドワードに酷い態度を取られるが、かつて優しかったエドワードの思い出から彼を好きでいる。 やや卑屈。 攻め…エドワード・グラームズ。 イギリス貴族の名門で実業家グラームズ家の一人息子。 最初は 礼を無視し、自分のsacrificeと思って嫌悪していたが、次第に気に掛けるようになっていくが リーストン校(パブリックスクール)に入学してからは冷たく接する。 エドワードは元々希薄だった両親が自分が犯した失態を挽回させるための「生贄」として肉親の礼を 利用しようとしたことが許せません。 ただ、交流して礼と接していくうちに少しずつ面倒を見ていくことに なりますが、父ジョージが礼を文字通り生贄として、自分と同じリーストン校に入学させようとすると 「来るな」と拒絶します。 ただ、エドワードに心を開き、エドワードの傍にいたかった礼は入学します。 結局拒絶したにも関わらず、リーストン校に来てしまった礼は、同じ寮にも所属した礼に冷たく接します。 人がいるところでは話しかけないというルールを強いて、礼には目立たず自分以外の生徒と接触を持つなと 強要します。 エドワードのことが好きな礼は、数日に1回エドワードと話せることで満足して、孤独の中に 身を置いていたのですが、ある日他寮の転入生のオーランドが礼の絵がうまいことに目をつけて、 演劇の背景描きに誘ってきます。 礼も心が動きますが、エドワードは断固反対します。 ただオーランドは 言葉巧みに礼に近づいていくのでした。 頑ななエドワードの礼に対する冷たさ、素っ気なさは、酷いものです。 ただ、エドワードの心境を 本編と2の群れを出た小鳥を読んだ後で考察すると、エドワードは礼を守りたかったのかなと思いました。 「生贄」として自分に捧げられた礼を、自分自身の欲望や他人から守りたかったのではないかと感じます。 エドワードという人物は、寮代表(ヘッド・ボーイ)も務めるぐらいの優秀な人物なのですが、 タイトルの檻の中の王という言葉が示す通り、厳しさの中に愛を貫く精神があるキャラクターです。 この檻の中の王がパブリックスクールの前編にあたる話で、後編が群れを出た小鳥の話になります。 2まで読んで二人のパブリックスクールの話が終わります。 檻の中の王ではひたすらエドが礼を冷たく 突き放す展開が続いて読者もつらいですが、群れを出た小鳥も併せて読むとすっきりするお話です。 私の好きな場面は、もうエドを好きでいるのをやめると言った礼の言葉です。 ここから物語が大きく 動いていったと思います。 挿絵の方の静かな絵もこのシリーズには合っています。 脇役もパブリックスクールは男子校なので 男性がほとんどですが、エドワードの従弟ギルバートや礼の理解者オーランド等今後のシリーズを読む ためには欠かせない魅力的なイケメン脇役ぞろいです。 この方のオレ様キャラが好きでよく読みますが、今回は気高さと孤独も加わってさらに良いです! 最初のうちはエドが暴君すぎるのではと思ったりもしましたが、話が進むにつれ、エドの孤独や本当の優しい心を垣間見、他人に弱さを見せられないエドを献身的に救おうとする礼に心を打たれました。 どれだけひどい仕打ちを受けても、エドを信じて一途に尽くす愛情は、恋愛でもあり家族愛でもあり… 非力なはずの「コマドリちゃん」がとても大きな存在に思えます。 始めは礼を異端児のように遠巻きにしていた人々も少しずつ礼のことを理解し、助けてくれるようになります。 この作品を通じていろんな形の「愛」にふれて、とてもあたたかい気持ちになりました。

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パブリック・エナミー

パブリック ボーイズ

5 0 どんぶり 電子が出るのは一月先かと諦めていましたが、そう時間差なく出てきて、とても嬉しいです。 スタンの怒りや悲しさが少しずつ全景を現し、そこへ恐れず挑むケイトの力強さと愛に驚きました。 冒頭あんな頼りない印象のケイトに、思わず読む手が止まりましたが、頼もしい成長と変化がみられてよかったです。 また二人のみならず、ブルーネル寮にて、生徒が次々と感情を発露させ、変化と成長が起きる様はとても見応えがありました。 成長止まることを知らない彼らを、次作でまたみられることを心から楽しみにしています。 目の前の幸せを失いたくないから、その後ろにある大きな問題から目を反らす…現実にある話ですよね。 苦しみながら自問自答を繰り返し、問題を直視しようとするケイトに大きな成長を感じました。 ケイトがブルーネル寮でぶちかますシーンは男らしく、あるいは極妻の姐さんのようでカッコよく、スカッとしました。 スタン、見栄ばっかりはってないで頑張れよ、って感じ。 脇を固めるキャラ達も成長を見せ、このパブリックスクールの世界のお話をもっともっと読みたい!と思わせてくれます。 さて前作ではスタンが思ってたよりもマトモで優しいヤツじゃん?と感じたのですが(エド比)それから1年、最上級生となった彼らは卒業後の進路を考え始めます。 恋人同士として仲良く過ごしていた(夜のみ)二人ですが、スタンとの間に何やら因縁を持つアーサーの登場によって不穏な空気が…。 桂人を心から愛しているのに完璧でない自分は「愛してる」なんて口にする資格が無い。 真剣になればなるほどもがき苦しみ、とうとう桂人と離れる決断をします。 「ヴァイオリンを弾いてたらお前とは一緒にいられない」「愛しているけど、たぶん愛せない」あううう〜(涙)ここが読んでて苦しい・辛い・切ない〜!ここで救われたのが桂人の強さ。 マザーテレサ・ケイト!(「好きかもしれないから1回抱かせろ〜」とやってくるおマヌケも居ますが、アルバート、ウォレス、セシル、アーサー、おそらくブルーネル寮の面々と次々に桂人ファンが増えてると思われ)その生い立ちのために創りそこなった愛情の土台を、荒療治で粉々にするような苦悩の日々の中、桂人がスタンの愛し方を模索し待つだけではなく自ら近づいていく強さを身につけていくところが良かったです。 読んでるこっちも辛かったですが、二人の未来にとって必要なプロセスだったのですね。 前作に引き続きエドがちらりと登場。 ほんのちょっとなのにその存在感たるや、まさに王者の貫禄!そしてしっかりレイの事も惚気てくれたし。 結果……甘い、甘いんですけどやはり一筋縄でいかなかった……。 それぞれ幼少期のトラウマを克服しようともがく彼らの苦しみがとってもリアルです。 そしてシチュエーションは違いますが昔見たジャクリーヌデュプレの映画を思い出しました。 音楽に全てを捧げる天才肌の芸術家と共に過ごして果たして幸せになれるのか……。 これからもきっと茨の道だろうなぁと。 ま、聖人君子のようなケイト君ならばきっと乗り越えるんでしょうね。 わたしは前作のツバメと殉教者はなんかスタンが信用できなくてあまりハマらなくてですね。 帯がやきもちぷんぷんなテイストだったので今回は少しは甘い展開になるのかなと思いきや、さらなるキツいビターな展開でですね。。 いままさに手にしてる分厚い鈍器をスタンのアタマに打ち落としたいくらいの。 アトリーじゃないけど「なにそれぇ、、!」ですよ。 さすが樋口作品、決してフィーリングで恋しない。 ただ、桂人の監督生としての活躍はスカっとするものがありました。 こうでなくてはね〜。 ウェリントンはもちろん、ブルーネル寮でも疎まれたのち人気者になるという。 個人的には「好きかもしれないから抱かせてくれ」とノコノコやってくるゴドウィンがお気に入り。 ちなみにエドレイはゴージャスすぎるモブとしてチラっと登場。 今回はホントにへとへとになるほどキツいお話だったのでラブいのが読みたかったのにー!ってひとには小説Charaの番外編も併せて読むことをオススメします。 続編出るかなぁ。 出たらいいなー。

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ジュールズ倶楽部 第281夜▽ミューズ、ビーチ・ボーイズ、パブリック・イメージ・リミテッド、ザ・エックス・エックス他

パブリック ボーイズ

5 0 どんぶり 電子が出るのは一月先かと諦めていましたが、そう時間差なく出てきて、とても嬉しいです。 スタンの怒りや悲しさが少しずつ全景を現し、そこへ恐れず挑むケイトの力強さと愛に驚きました。 冒頭あんな頼りない印象のケイトに、思わず読む手が止まりましたが、頼もしい成長と変化がみられてよかったです。 また二人のみならず、ブルーネル寮にて、生徒が次々と感情を発露させ、変化と成長が起きる様はとても見応えがありました。 成長止まることを知らない彼らを、次作でまたみられることを心から楽しみにしています。 目の前の幸せを失いたくないから、その後ろにある大きな問題から目を反らす…現実にある話ですよね。 苦しみながら自問自答を繰り返し、問題を直視しようとするケイトに大きな成長を感じました。 ケイトがブルーネル寮でぶちかますシーンは男らしく、あるいは極妻の姐さんのようでカッコよく、スカッとしました。 スタン、見栄ばっかりはってないで頑張れよ、って感じ。 脇を固めるキャラ達も成長を見せ、このパブリックスクールの世界のお話をもっともっと読みたい!と思わせてくれます。 さて前作ではスタンが思ってたよりもマトモで優しいヤツじゃん?と感じたのですが(エド比)それから1年、最上級生となった彼らは卒業後の進路を考え始めます。 恋人同士として仲良く過ごしていた(夜のみ)二人ですが、スタンとの間に何やら因縁を持つアーサーの登場によって不穏な空気が…。 桂人を心から愛しているのに完璧でない自分は「愛してる」なんて口にする資格が無い。 真剣になればなるほどもがき苦しみ、とうとう桂人と離れる決断をします。 「ヴァイオリンを弾いてたらお前とは一緒にいられない」「愛しているけど、たぶん愛せない」あううう〜(涙)ここが読んでて苦しい・辛い・切ない〜!ここで救われたのが桂人の強さ。 マザーテレサ・ケイト!(「好きかもしれないから1回抱かせろ〜」とやってくるおマヌケも居ますが、アルバート、ウォレス、セシル、アーサー、おそらくブルーネル寮の面々と次々に桂人ファンが増えてると思われ)その生い立ちのために創りそこなった愛情の土台を、荒療治で粉々にするような苦悩の日々の中、桂人がスタンの愛し方を模索し待つだけではなく自ら近づいていく強さを身につけていくところが良かったです。 読んでるこっちも辛かったですが、二人の未来にとって必要なプロセスだったのですね。 前作に引き続きエドがちらりと登場。 ほんのちょっとなのにその存在感たるや、まさに王者の貫禄!そしてしっかりレイの事も惚気てくれたし。 結果……甘い、甘いんですけどやはり一筋縄でいかなかった……。 それぞれ幼少期のトラウマを克服しようともがく彼らの苦しみがとってもリアルです。 そしてシチュエーションは違いますが昔見たジャクリーヌデュプレの映画を思い出しました。 音楽に全てを捧げる天才肌の芸術家と共に過ごして果たして幸せになれるのか……。 これからもきっと茨の道だろうなぁと。 ま、聖人君子のようなケイト君ならばきっと乗り越えるんでしょうね。 わたしは前作のツバメと殉教者はなんかスタンが信用できなくてあまりハマらなくてですね。 帯がやきもちぷんぷんなテイストだったので今回は少しは甘い展開になるのかなと思いきや、さらなるキツいビターな展開でですね。。 いままさに手にしてる分厚い鈍器をスタンのアタマに打ち落としたいくらいの。 アトリーじゃないけど「なにそれぇ、、!」ですよ。 さすが樋口作品、決してフィーリングで恋しない。 ただ、桂人の監督生としての活躍はスカっとするものがありました。 こうでなくてはね〜。 ウェリントンはもちろん、ブルーネル寮でも疎まれたのち人気者になるという。 個人的には「好きかもしれないから抱かせてくれ」とノコノコやってくるゴドウィンがお気に入り。 ちなみにエドレイはゴージャスすぎるモブとしてチラっと登場。 今回はホントにへとへとになるほどキツいお話だったのでラブいのが読みたかったのにー!ってひとには小説Charaの番外編も併せて読むことをオススメします。 続編出るかなぁ。 出たらいいなー。

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