ゾム 熱 小説。 BLなりちゃの主役は我々だ! ページNO.6@セイチャット

第86話

ゾム 熱 小説

Eチーム率いるリーダーのキャラエデは、デービス河川、上流のCランク魔物ミドルラークの討伐に向かっていた。 すると、後方から馬で駆けて来たBチームの女性兵士ケイソンから、意外な報告を受けたのだった。 「Sクラス以上の魔物だと?」 「はい。 姿を現認したわけではありませんが、間違いないかと」 「どうして、そう分かる」 「キングゴゾムが殺されていました。 アレを殺すような生物は、Sクラス以上としか言えません。 大きさは人間と変わらないようです。 だから、くれぐれも慎重に」 「キングゴゾム……。 あれが来たというのか?」 「間違いありません!」 ケイソンが嘘の報告をしたとは思えない。 魔物は強さに応じクラス分けがされている。 Dクラス 単独でじゅうぶん駆除できる雑魚魔物 キラーラビッタ、ゴブリン、ホワイトロッダなど Cクラス 単独でも駆除可能だが、安全を考慮すると 分隊 ( チーム )(10人規模)で挑むのが望ましい魔物 コボルダスなど Bクラス 分隊 ( チーム )でじゅうぶん駆除可能だが、 小隊 ( プラトーン )(50人規模)で挑むのが望ましい中ボス程度の強さ魔物 ラビッタキングなど Aクラス 分隊 ( チーム )で挑むと危険 メンバーに特殊能力者(神手獲得者)を数名有し、二個 小隊 ( プラトーン )(100人規模)以上で応戦すべき魔物 Sクラス 広範囲の災害級強さを有する魔物 有力な対処法不明 考えられる最大の戦力で応戦するべき魔物 ワイバーン、ドラゴン、キングゴゾムなど 魔物の強さをクラスで分けると、Aクラスから急激に強くなる。 現在までに確認できているAクラス魔物は10種32体。 Sクラス魔物は7種7体だ。 駆除できているAクラス魔物は7体。 Sクラスは、1年前に全ての魔物討伐隊と城兵、キノン姫が 透掴手 ( とうかくしゅ )を使い、なんとか殺せたワイバーンただ一体のみだ。 キングゴゾムもワイバーンと同じ、いやそれ以上のSクラス魔物になる。 身長10mにも関わらず、ゴキブリ級に動きが早く、二つの頭部にある口から熱照射を放つ。 一直線に1kmも伸びる熱照射は、周囲を焼け野原にする威力だ。 だから例え、キングゴゾムが天敵に襲われたとしても、両者が争えば、地響きや応戦で我らが気づかないわけがない。 もっとも天敵といっても、キングゴゾムはSクラス魔物の中で上位の強さだから、ゴゾムを倒す魔物は思い浮かばない。 「未知のSクラス魔物の仕業か……」 「だと推測されます。 私は他の隊に知らせに行きます。 ではご無事を!」 「了解した」 Bチーム兵士ケイソンが、再び馬車で駆けてゆく。 おいおい、Sクラスの魔物がここら辺に居るのかよ。 Eチームの馬車の中からやり取りを聞いていた恭介は、そんな物騒な魔物が、まさか自分だとは思いもしないので、内心、ビビリまくっていた。 「ど、どうするんですかキャラエデさん。 このまま予定通り、Cランク魔物の討伐に向かうのですか? もし途中でその魔物に出会ったら……」 「可能性は高い。 現在確認されるSクラス以上の魔物はどれも遠方。 何故キングゴゾムがここまで来たのか」 キャラエデは、大声を上げた。 「Eチームはコゾンス城に戻る! 我らの目的は魔物討伐だけではない。 万が一、討伐中にSクラス魔物と遭遇し、救世主恭介が怪我を負えば、アマダス王国の大きな損失である。 Bチームも。 魔物討伐、全てのチームも。 そして、キングゴゾムの死体を解体していた兵も、魔核を8個も取り出し戻ってきたのだった。 帰路の途中、未知のSクラス魔物の姿を目撃した者はいない。 もちろん、そんな生物はいないのだが、兵たちは別の生物に擬態して潜んでいると思い込んでいる。 むしろ、未知のSクラスと鉢合わせせず無事帰れた事を奇跡と捉え、神に祈る女兵もいた。 キャラエデは恭介に、Sクラス魔物がいかに強敵であるか。 いずれ救世主が中心となりA、Sクラス魔物を倒す必要性を説いた。 そして、このアマダス壁に守られた場所が一番安全だという事も。 「が、がんばります……」 恭介が死にそうな声で、キャラエデに言った。 無理もない、3日前までは平和な日本で暮らし、自分が死ぬかも? など一度も頭を過ったことがない男子高校生だったのだから。 恭介は、出迎えに出た城兵とトラーパルに誘導されコゾンズ城に入ってゆく。 「大丈夫なんですかねー、あの救世主のメンタル。 不安だなー」 キャラエデの部下が鼻で笑った。 「最初ヤツを見たとき、我もそう思った」 「リーダーもですか。 アマダスに点在する魔物を倒すには、圧倒的強さを持つ生物でなければならない。 ドラゴン、マンティコア、ヒュドラ。 Sランク魔物と同じくらいの強さか、そうでなくとも、倒せる可能性のある生物を、過去に召喚し救世主にした。 それでも、魔物駆除は終わらない。 人間タイプの異界生物を召喚して何になる。 だが、昨日のラビッタキングを気絶させたヤツの 透掴手 ( とうかくしゅ )能力。 そして今日の 視覚手 ( しかくしゅ )と、その途方もなく長い射程……」 「そういや、半年前に召喚した救世主も、 透掴手 ( とうかくしゅ )持ってたのが居ましたね。 あっさり死んじまったけど。 まあ 透掴手 ( とうかくしゅ )っていっても、付加能力がチンケだと、ただの手ですもんね。 窃盗するなら便利だろうけど、戦闘には使えないですし」 「過去最強だ」 「え?」 「今まで召喚したどの救世主生物より、ヤツは上だ。 我が知る限り、ひいき目無しで、最も強い生物」 「へーっ」 「どうした?」 「いや、キャラエデさんが、褒めるの珍しいなと。 よほど気に入ったんですね、あの救世主」 「悔しいだけだ。 剣に全てを捧げ生きた我の数年が、ヤツの3日に劣ると思うと、無性に悔しい」 「……、……」 「それに……、不覚にも……」 「なんです?」 「何でもない。 忘れろ」 「気になるなー。 あっ、そうか。 もしかしたら、不覚にもベッドで仕返ししてやる、なんて思ったんでしょ? 能力で勝てない悔しさをベッドで晴らすのは、筋違いですもんね」 「……」 「な、なんです、その軽蔑した目は。 違ってました? リーダーごめんなさい」 「かまわん。 忘れろ」 思ってしまったのだ。 不覚にもヤツをカッコイイ、と。 そんな自分が恥ずかしいキャラエデであった。

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Eチーム率いるリーダーのキャラエデは、デービス河川、上流のCランク魔物ミドルラークの討伐に向かっていた。 すると、後方から馬で駆けて来たBチームの女性兵士ケイソンから、意外な報告を受けたのだった。 「Sクラス以上の魔物だと?」 「はい。 姿を現認したわけではありませんが、間違いないかと」 「どうして、そう分かる」 「キングゴゾムが殺されていました。 アレを殺すような生物は、Sクラス以上としか言えません。 大きさは人間と変わらないようです。 だから、くれぐれも慎重に」 「キングゴゾム……。 あれが来たというのか?」 「間違いありません!」 ケイソンが嘘の報告をしたとは思えない。 魔物は強さに応じクラス分けがされている。 Dクラス 単独でじゅうぶん駆除できる雑魚魔物 キラーラビッタ、ゴブリン、ホワイトロッダなど Cクラス 単独でも駆除可能だが、安全を考慮すると 分隊 ( チーム )(10人規模)で挑むのが望ましい魔物 コボルダスなど Bクラス 分隊 ( チーム )でじゅうぶん駆除可能だが、 小隊 ( プラトーン )(50人規模)で挑むのが望ましい中ボス程度の強さ魔物 ラビッタキングなど Aクラス 分隊 ( チーム )で挑むと危険 メンバーに特殊能力者(神手獲得者)を数名有し、二個 小隊 ( プラトーン )(100人規模)以上で応戦すべき魔物 Sクラス 広範囲の災害級強さを有する魔物 有力な対処法不明 考えられる最大の戦力で応戦するべき魔物 ワイバーン、ドラゴン、キングゴゾムなど 魔物の強さをクラスで分けると、Aクラスから急激に強くなる。 現在までに確認できているAクラス魔物は10種32体。 Sクラス魔物は7種7体だ。 駆除できているAクラス魔物は7体。 Sクラスは、1年前に全ての魔物討伐隊と城兵、キノン姫が 透掴手 ( とうかくしゅ )を使い、なんとか殺せたワイバーンただ一体のみだ。 キングゴゾムもワイバーンと同じ、いやそれ以上のSクラス魔物になる。 身長10mにも関わらず、ゴキブリ級に動きが早く、二つの頭部にある口から熱照射を放つ。 一直線に1kmも伸びる熱照射は、周囲を焼け野原にする威力だ。 だから例え、キングゴゾムが天敵に襲われたとしても、両者が争えば、地響きや応戦で我らが気づかないわけがない。 もっとも天敵といっても、キングゴゾムはSクラス魔物の中で上位の強さだから、ゴゾムを倒す魔物は思い浮かばない。 「未知のSクラス魔物の仕業か……」 「だと推測されます。 私は他の隊に知らせに行きます。 ではご無事を!」 「了解した」 Bチーム兵士ケイソンが、再び馬車で駆けてゆく。 おいおい、Sクラスの魔物がここら辺に居るのかよ。 Eチームの馬車の中からやり取りを聞いていた恭介は、そんな物騒な魔物が、まさか自分だとは思いもしないので、内心、ビビリまくっていた。 「ど、どうするんですかキャラエデさん。 このまま予定通り、Cランク魔物の討伐に向かうのですか? もし途中でその魔物に出会ったら……」 「可能性は高い。 現在確認されるSクラス以上の魔物はどれも遠方。 何故キングゴゾムがここまで来たのか」 キャラエデは、大声を上げた。 「Eチームはコゾンス城に戻る! 我らの目的は魔物討伐だけではない。 万が一、討伐中にSクラス魔物と遭遇し、救世主恭介が怪我を負えば、アマダス王国の大きな損失である。 Bチームも。 魔物討伐、全てのチームも。 そして、キングゴゾムの死体を解体していた兵も、魔核を8個も取り出し戻ってきたのだった。 帰路の途中、未知のSクラス魔物の姿を目撃した者はいない。 もちろん、そんな生物はいないのだが、兵たちは別の生物に擬態して潜んでいると思い込んでいる。 むしろ、未知のSクラスと鉢合わせせず無事帰れた事を奇跡と捉え、神に祈る女兵もいた。 キャラエデは恭介に、Sクラス魔物がいかに強敵であるか。 いずれ救世主が中心となりA、Sクラス魔物を倒す必要性を説いた。 そして、このアマダス壁に守られた場所が一番安全だという事も。 「が、がんばります……」 恭介が死にそうな声で、キャラエデに言った。 無理もない、3日前までは平和な日本で暮らし、自分が死ぬかも? など一度も頭を過ったことがない男子高校生だったのだから。 恭介は、出迎えに出た城兵とトラーパルに誘導されコゾンズ城に入ってゆく。 「大丈夫なんですかねー、あの救世主のメンタル。 不安だなー」 キャラエデの部下が鼻で笑った。 「最初ヤツを見たとき、我もそう思った」 「リーダーもですか。 アマダスに点在する魔物を倒すには、圧倒的強さを持つ生物でなければならない。 ドラゴン、マンティコア、ヒュドラ。 Sランク魔物と同じくらいの強さか、そうでなくとも、倒せる可能性のある生物を、過去に召喚し救世主にした。 それでも、魔物駆除は終わらない。 人間タイプの異界生物を召喚して何になる。 だが、昨日のラビッタキングを気絶させたヤツの 透掴手 ( とうかくしゅ )能力。 そして今日の 視覚手 ( しかくしゅ )と、その途方もなく長い射程……」 「そういや、半年前に召喚した救世主も、 透掴手 ( とうかくしゅ )持ってたのが居ましたね。 あっさり死んじまったけど。 まあ 透掴手 ( とうかくしゅ )っていっても、付加能力がチンケだと、ただの手ですもんね。 窃盗するなら便利だろうけど、戦闘には使えないですし」 「過去最強だ」 「え?」 「今まで召喚したどの救世主生物より、ヤツは上だ。 我が知る限り、ひいき目無しで、最も強い生物」 「へーっ」 「どうした?」 「いや、キャラエデさんが、褒めるの珍しいなと。 よほど気に入ったんですね、あの救世主」 「悔しいだけだ。 剣に全てを捧げ生きた我の数年が、ヤツの3日に劣ると思うと、無性に悔しい」 「……、……」 「それに……、不覚にも……」 「なんです?」 「何でもない。 忘れろ」 「気になるなー。 あっ、そうか。 もしかしたら、不覚にもベッドで仕返ししてやる、なんて思ったんでしょ? 能力で勝てない悔しさをベッドで晴らすのは、筋違いですもんね」 「……」 「な、なんです、その軽蔑した目は。 違ってました? リーダーごめんなさい」 「かまわん。 忘れろ」 思ってしまったのだ。 不覚にもヤツをカッコイイ、と。 そんな自分が恥ずかしいキャラエデであった。

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小説…我々だ

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Posted by ブクログ 2013年02月08日 ライアテアは、タヒチの島のひとつ。 タヒチといえばゴーギャンを思い浮かべますが、楽園と現実との落差を痛感しながらもなお夢を追い続けた彼へのオマージュにも感じられるエキゾチックな表紙がステキです。 でも、舞台の大半はLA、サンディエゴとアメリカなんですよね。 夢と現実が島と都会としてはっきりコントラストを持って描かれているのがいいです。 ゾムは少年時代に南の島で出逢った美しいマニをずっと追い求めています。 いろんなものを失ってなおマニのことだけは忘れられない存在となっているのです。 ゾムは、写真家としての生命に関わる事態に陥っているのに、それを心配させるどころか前に進んで行こうという気概すら感じられて、とても芯のある男です。 そして念願かなってマニと再会できることになるのですが。 この再会の描き方が胸をつかれました。 なんという豹変ぶりwww でも、雄々しくて悪くない。 あとで読み返すと、このシーンの裏にあるマニの気持ちに切なくなります。 20年の時も経っているし、外見ばかり取り沙汰されて、辛酸舐めて、マニはここまで生きてきたわけだから。 その姿から真摯に彼なりに生きてきたことが、説明されなくとも理解できるんですよね。 ストイックに生きてきたんだろうな~と感じられます。 なのに、色気が隠しきれていない!!島の人間である証しのタトゥーにも萌えます。 しかも、そこでちらちら登場する回想シーンが直截な描写は何ひとつないのに、すごくエロス… とにかくマニに目が釘付けです。 ゾムもマニも大変険しい人生を送ってきていて、そして運命的な再会を果たしています。 魂が美しければ、いつか求めていたものが手に入るのだという、希望に満ちたストーリーでした。 Posted by ブクログ 2013年02月01日 美しい装丁に劣らぬ極彩色の物語。 原因不明の難病で左視力を失ったカメラマン・ゾムと、その昔南の島で出会った現地出身の研究者・マニの話。 運命ってものがあるならば、こういう出会いの事だと思う。 奇跡と言い換えても構わない。 岡田屋さんの素晴らしい画力で魅せる美しいマニ。 疲れ果てた研究者の顔と島で見 せた表情の違いに、人間の本質をみた気がする。 人は、気持ち1つで別の生き物のようになってしまえるんだ。 激しいセックスがあるわけじゃないけど、精神的な色気が静かに流れ込んでいる物語。 なんかもう、本当に脱帽です! 運命を受け入れたマニは素晴らしく男前だった。 あとがきでサラッと描かれていたその後の話、この2人がもっと読みたい! 胸がいっぱいになるような南国の熱を感じる作品。 Posted by ブクログ 2013年01月31日 叔父に連れられて渡った南の島で、少年だった主人公は現地の人間と出会う。 その神々しいまでの姿に、おもわず跪いていた。 写真家となった主人公は、撮影のために上った雪山で突如目の痛みに襲われ、左目を失明する。 妻を失い、しかし長年空虚だった自分は、あの時の風景をずっと求めていたのだと気づく。 しかし、そんな 中病気を担当していた医師が、探し求めていた男を知っていることがわかる。 南の島に行きたい、あの人の案内で渡りファインダーにその姿を映したい。 しかし、20年前に島を出ていた男は南の島を捨てたのだと言い捨て、主人公を拒絶する。 色々なものが詰め込まれて、「あるべき姿できれいにならんでいる」という感じです。 独特の風習をもつ島を出た男は、差別や偏見によって自分の中の根幹を見失い、拒絶し、何かと交わることもそして自分は自分だとつきとおすこともあきらめ、「研究ができればいい」とつっぱねています。 主人公は両親を失った事などが原因と思われますが、自分の中の空虚な部分を抱えながら、それを埋めるもの(埋めてくれる、じゃなく埋める、ですね)を無意識に求めている。 立場も今まで生きてきた場所や立ち位置も、求めるべきところも違う二人が交わるときどうなるのかと・・・・・・。 一気に読み進めてしまいました。 岡田屋さんのお書きになるお話は、ひょっとするとその表情であったり肉体美に目をとられてしまいがちですが、そのページの奥に潜んでいるものをかみしめるものだと思うのです。 もしかすると、差別や偏見といったものを経験している人にとってはつらい傷を思い起こすようなことになるかもしれませんが、私は読んでいてとても心地よく最後のページまで読み終えることができました。

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