クジラ アタマ の 王様 あらすじ。 【感想/あらすじ】逆ソクラテス/伊坂幸太郎 ※少しネタバレあり

伊坂幸太郎さん『クジラアタマの王様』

クジラ アタマ の 王様 あらすじ

夢の中の住人たちが見る夢に、我々の現実世界が出てくるなど コミックパートもどんどん進展していく。 夢などの異世界と主人公の意識が行き来するパターン自体は目新しいものではないが アクションの多い夢の世界の部分を漫画で表現するという 実験的な試みが大変面白い。 新型コロナやネットでの誹謗中傷が話題になっている このタイミングでこの本を手にとったことが 面白い巡り合わせだと感じた。 今の世の中は、ちょうどこの物語に出てくるように 犯人探しや無責任な噂、利権や買い占めなどの 身勝手な話で溢れている。 仕事ができる人に仕事が集まるのに給料は上がらないし 周りが気を遣うからむすっとしてる方が得。 ままならないことが多い世の中だ。 どうなったら解決するのか。 何をゴールとするのか。 問題や課題があったらまず それが収束する状況を洗い出す。 それから、その状況にたどり着くための道筋を上げていく という話はとても大事。 意外とゴールを設定しないで失敗する状況は多い。 指示があると安心するが、それが良いとも言い切れず 新情報があるわけでも 事態を打開する提案が発表されたわけでもないのに 誰かの言葉に従って言えば助かるのかもしれないと思ってしまう。 それは錯覚だから、盲信しては破滅する。 指示を出している人も どうしたらいいのかわかっているわけではない。 この辺りも、今の現状に重なった。 やるべき事は1つだけ、悩む必要がない。 問題はそれができるのかどうか というのは恰好良いし正直だと思った。 正直、自分だったらコテージに入るって防戦をすると思う。 人間を動かすのは、理屈や論理よりも、感情だ。 同じ罪を犯した人に対しても、感情が左右すれば、まったく違う罰を平気で与える。 理屈は後からつける。 感情があるからこそできることもあるし、間違えることもある。 その間違いも、違法だからといってなにが正義のヒーローなのか 判断も難しいところで 微妙なところの事実を絶妙な描き方をするところは相変わらずで素晴らしかった。 奇妙な3人の絆、コウノトリの目論見は実際なんだったのかという謎も残しつつ 読後感は爽やかで面白かった。 レビュー投稿日 2020年6月6日 読了日 2020年6月5日 本棚登録日 2020年6月5日.

次の

今読むべき、クジラアタマの王様~自分が戦う場所と、ウイルスという見えない敵のこと|繭|note

クジラ アタマ の 王様 あらすじ

アイネクライネナハトムジークの主要登場人物 藤間 ふじま 市場調査会社のシステム管理担当者。 妻と娘の亜美子とは別居中。 佐藤 さとう 藤間の同僚。 小野学 おのまなぶ プロボクシングの選手。 リングネームは「ウィンストン小野」。 美奈子 みなこ 美容師。 小野との交際を経て結婚する。 板橋香澄 いたばしかすみ 都内の企業に勤めるOL。 旧姓は小野香澄。 アイネクライネナハトムジーク の簡単なあらすじ 常日頃から「出会いがない」と嘆いていた佐藤でしたが、勤務先の先輩社員・藤間が妻と娘に逃げられることによって思わぬ幸運が転がり込んできます。 自暴自棄になっていた藤間が立ち直るきっかけを作ったのは、ボクシングチャンピオンのウィンストン小野です。 リングの上では無敵の強さを誇る小野でしたが、気になっている異性に対しては今一歩踏み込んでいけません。 姉のサポートもあり愛する人と一緒になった小野には、次なる試練が待ち構えているのでした。 遂には勤務時間中に爆発してしまい、机を蹴り飛ばしてサーバーを破損させた挙げ句早退してしまいます。 とばっちりを受けたのは藤間の後輩・佐藤で、定時後に残業代なしの街頭アンケートでデータを集め直さなければなりません。 アンケートに協力してくれた人の中に1人の魅力的な女性がいて、交通整理のアルバイトをしている彼女とは工場現場で再会して付き合うことになりました。 小さく聞こえてくる夜の音楽 アイネ・クライネ・ナハトムジーク のような出会いを期待していた佐藤は、 密かに藤間の妻に感謝してしまいます。 精神的に疲弊した藤間は貯まっていた有給休暇を消化した後で、職場に復帰して来ました。 佐藤は妻子と別居中で落ち込んでいる藤間を励ますために、つい最近日本初のヘビー級世界チャンピオンになったウィンストン小野のサインをもらってきてくれます。 娘の亜美子が小野の防衛戦に興味津々だったことを思い出した藤間は、 チケットをネットオークションで何とか競り落として試合を2人で観に行きました。 結果は挑戦者の判定勝ちで小野はチャンピオンから陥落することになり、 試合が終わってしばらく後に藤間は妻と離婚しています。 もしもあの時小野が防衛に成功していたら父の人生にも変化があったのだろうかと、成長した亜美子は思いを巡らすばかりです。 顔の見えない恋人の挑戦 美容院で働いている美奈子はある時に常連客の板橋香澄から、 半年くらい前に恋人と別れて元気がないという弟・学の相手を頼まれました。 電話とメールだけのやり取りでしたが同い年の27歳で相性もバッチリで、次第にふたりは心を通わせていきます。 特殊な「事務職」に就いているという学からは、 仕事が忙しくなった途端に電話がかかってきません。 美奈子が忘れかけていた頃に連絡があり、以前と同じように自分の身の回りに起きたことを静かに喋るだけです。 いつものように1ヶ月以上学からの電話が途絶えた頃、香澄が店まで訪ねてきました。 変わり者の弟を詫びつつ、美奈子を自宅へと招待します。 彼女の自宅は高級マンションで、夫は出張のため居ません。 リビングのテレビではボクシングの世界タイトル戦が放送されていて、格闘技に疎い美奈子でさえも思わず引き込まれるほどの熱戦です。 新チャンピオンがウィンストン小野に決まった瞬間に、 香澄は美奈子は意外な事実を告げました。 ウィンストン小野のリングネームは香澄の夫が考えたこと、彼女の旧姓が小野であること、学のいう事務職はボクシングジムの「ジム」と引っ掛けていること。 テレビ画面の向こうでヒーローインタビューを受けていた学は、「次の挑戦は、ある女性に会うことです」と恥ずかしそうに答えています。 学にはこれからテレビ出演のオファーが舞い込んで大忙しになるために、当分の間は電話をかけることが出来ないでしょう。 当時小野とお付き合いを始めたばかりの美奈子は、観光旅行で宮城県を訪れた際に学生時代の友人である美緒の母と会っています。 世界チャンピオンの来訪に興奮した美緒のパンチを大きな身体でニコニコ笑いながら受け止めてくれたことは、 10年の時が流れて高校生になった今でも忘れることは出来ません。 小野が敗戦してチャンピオンベルトを失ったのは、美緒たちが住んでいるマンションを訪れてから2ヶ月後のことです。 それ以降スランプに喘いで忘れられていた小野が、再び世界チャンピオンに挑戦するという噂がスポーツニュースで広まります。 今度横浜アリーナで開催される小野の再試合のチケットが1枚余っているため、 クラスメートの藤間亜美子を誘ってみました。 亜美子は10年前に小野が防衛に失敗した試合を、父親と一緒に観戦したことを覚えています。 10年ぶりに小野を見てみたいのはやまやまでしたが、久留米和人と一緒に行くことを美緒に薦めてみました。 合唱コンクールの練習中にひとりだけ音程が外れてしまう男子生徒に対して、「本番は口パクでいい」と美緒たちの担任の先生は言い放ちます。 デリカシーがない発言に対して、真っ向から反論したのが久留米です。 「まだ諦めるのは早い」という久留米の言葉を、 美緒と亜美子は36歳にして闘い続けている小野の姿と重ね合わせていました。 ゴングが鳴った後も終わらないそれぞれの話 46歳になった小野学は現役を引退していて、自らのジムを開設して若手の育成に力を注いでいました。 今日は妻・美奈子と共に、 人気の漫才師がMCのテレビ番組に出演しています。 愛人と共に出奔した母、親戚をたらい回しにされた少年時代、喧嘩に明け暮れた青年期。 破天荒な半生を送ってきた小野でしたが、姉・香澄と妻への愛は変わりません。 スタジオでは数あるウィンンストン小野の名場面の中でも、9年前の最終戦の映像が流れています。 小野の左フックによってチャンピオンがダウンしたのと、最終12ラウンドの終了ゴングが鳴ったのはほぼ同時です。 1度は小野へのベルトの贈与が行われながら、チャンピオン側の抗議によって勝敗は敢えなく覆りました。 リングアナウンサーや解説者ばかりではなく、日本中の観戦者が納得いかなかったのは当然でしょう。 疑惑の判定を振り返った小野は精神的にも肉体的にもボロボロであったことを打ち明けて、「どっちでもいい」と静かに答えます。 いまだに当時のことを思い出すと興奮してしまう司会者は、聞かれてもいないのに自らの高校時代のエピソードを喋り出しました。 音痴なため合唱コンクールの時に先生に「口パクでいい」と言われたこと、同級生と結託して合唱の前に漫才をやったこと、その時のネタが受けたことがきっかけで今に至ること。 他の出演者は「その話、長いの?」と困惑して訊ねていましたが、小野と美奈子は楽しそうに顔を見合せて笑うのでした。 アイネクライネナハトムジーク を読んだ読書感想 一見するとバラバラだったキャラクターたちの間に、ストーリーが進行するにつれて繋がりが芽生えていくところに不思議な味わいがありました。 無駄話にも思えていたエピソードが、後に重要な伏線になっている仕掛けも心憎いです。 ボクシング愛好家には夢のまた夢である日本人のヘビー級チャンピオンを、違和感なく登場させてしまう伊坂幸太郎の饒舌な語り口には圧倒されます。 世界タイトルに輝いたウインストン小野こと小野学の栄光だけではなく、波乱に富んだ生い立ちや挫折感も描かれていて感情移入できました。 大きな身体に似合わずに小さな子供に向ける心配りや優しさに、引退後に妻の美奈子と送る慎ましやかな生活ぶりも微笑ましかったです。

次の

伊坂幸太郎さん「クジラアタマの王様」あっという間に読み終える

クジラ アタマ の 王様 あらすじ

物語の始まりはマシュマロへのクレーム では、あらすじから。 物語の主人公はお菓子メーカで働く岸君。 彼は広報部に所属していたので、新商品のマシュマロが売れるように願っていましたが、売れ行きはよくありませんでした。 ところが、人気ダンスグループの小沢ヒジリがテレビでコメントしたことをキッカケに爆発的に売れるようになります。 しかし…。 岸君は少し前まで働いていたお客様サポートセンターへの異動を命じらるんですよね。 彼の代わりに入った先輩が仕事を投げ出したからです。 では、なぜ先輩が仕事を投げ出したかと言うと、「マシュマロに画鋲が入っている」というお客様からのクレームにまともな対応をしなかったからです。 対応が悪いとSNSで拡散され、どうしようもなくなったのです。 そこで岸君が登場するわけですが、なぜか彼の行動がプラスに働いて、すべてが上手く解決していくんですよね。 その理由は…。 夢の世界で凶暴な動物を退治すれば現実は上手くいく 都議会議員である池野内征爾によると、「夢の世界で凶暴な動物を退治すれば、それと連動して現実が上手くいく」からだそうです。 岸君は夢の内容をまったく覚えていませんでしたが、池野内議員と小沢ヒジリと協力して、これまで何度か凶暴な動物を倒してきたと言われます。 とても信じられない話ですが、3人は共通して火事現場から命からがら逃げ出した経験がありました。 池野内議員は火事現場で助かったのは、3人で協力して夢の世界で火を吐くオオトカゲを倒したからだと言いますが…、どうしても信じられません。 しかし、池野内議員と小沢ヒジリと接していくうちに、驚くような体験を積み重ねて、岸君も信じるようになるんですよね。 ところが…。 未来を切り拓くのは誰だ!? 岸君は絶体絶命のピンチになって、あることに気づきました。 夢の世界がどうとか関係なく、どうにかしないといけないのは、今目の前にある事態だということに気づいたのです。 さらに、これまで上手くいっていたのも、誰が何と言おうと自分自身の行動による結果だと気づきます。 つまり、未来を切り拓くのは、他の誰でもない自分自身だと言うことです。 そんな伊坂さんの想いがヒシヒシと伝わってくる物語でした。 というわけで、伊坂幸太郎さんの小説『クジラアタマの王様』は、伊坂幸太郎さんらしい物語に惹きつけられるだけでなく、「自分が未来を切り拓いていくんだ」と強く想える物語です。 もちろん、サスペンスとしても、最後に驚きが待っている物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

次の