終息と収束の違い 終息と収束の違いを分かりやすく言うと、 終息とは終わること、収束とは落ち着くことという違いです。 一つ目の終息を使った分かりやすい例としては、「新型ウイルスの終息宣言にはまだ時間がかかるだろう」「大流行したブームが終息を迎えようとしている」「三年間続いてた戦争が終息した」「新型ウイルスの終息の気配が見えない」などがあります。 二つ目の収束を使った分かりやすい例としては、「試行回数を増やすと確率は収束しやすくなる」「一刻も早い事態の収束を願うばかりです」「本件は一旦収束へと向かいました」などがあります。 終息は物事が完全に終わった時に使う言葉で、収束は物事の混乱が一旦落ち着いた時に使う言葉になります。 ただし、どちらも似たような意味を持っているため、会話の中に出てきた時にはどちらのことを言ってるか注意することが必要です。 新型ウイルスや流行りの感染症にに対して「終息」と「収束」どちらが正しいのかと言うと、どちらも正解になります。 上記の「新型ウイルスの終息の気配がみえない」を例に挙げると、「終息」と「収束」どちらでも置き換えることができます。 終息を使った例の「新型ウイルスの終息の気配が見えない」は、新型ウイルスの流行が終わる気配が見えないという意味になっています。 もう一方の収束に置き換えてみると、「新型ウイルスの収束の気配が見えない」となります。 新型ウイルスによって混乱した社会が、落ち着きを取り戻す気配が見えないという意味です。 このように、意味は少し違うのですが、「終息」と「収束」どちらの言葉も使うことができます。 また、新型ウイルスの流行が完全に終わった場合には終息を使うのが正解で、完全に終わったことを意味する「終息宣言」という言葉がよく使われます。 終息を英語にすると、「End」となり、例えば上記の「新型ウイルスの終息宣言にはまだ時間がかかるだろう」を英語にすると「Declaration of the end of the new virus will still take time」となります。 一方、収束を英語にすると「convergence」となり、例えば上記の「試行回数を増やすと確率は収束しやすくなる」を英語にすると「Probability tends to converge with more trials」となります。 終息の意味 終息とは、 物事が完全に終わることを意味しています。 終息を使った分かりやすい例としては、「新型ウイルスの終息への道のりは長そうだ」「一年間続いていた暴動は終息を迎えた」「この食べ物のブームはまだまだ終息しなさそうだ」「新型ウイルスの問題が終息したらヨーロッパ旅行にいきたい」などがあります。 その他にも、「新型ウイルスの感染拡大はいつ終息を迎えるのか」「こちらの商品は終息品につきもう手に入れることができません」「半年間続いた山火事は一週間続いた大雨により終息しました」などがあります。 終息という言葉は、流行しているものや戦争、災害など物事が完全に終わった時に使います。 そのため、新聞やテレビの報道などでよく目にするはずです。 また、終息は「終息を迎える」「終息に向かう」「終息した」「終息をする」などで表現することが多いです。 終息の類語・類義語としては、物事が終わりになることを意味する「終結」、続いていた物事がすっかり終わることを意味する「完結」、動きが止まることを意味する「ストップ」、物事が完全に終わることを意味する「完了」などがあります。 終息の終の字を使った別の言葉としては、生命が終わることを意味する「終焉」、会議や会合などを終えることを意味する「終会」、ある物事の終わる時期を意味する「終期」、その日の業務を終えること意味する「終業」などがあります。 その他にも、物事に決まりがついて終わることを意味する「終決」、物事終わることを意味する「終止」、物事が最後に行き着くところを意味する「終末」、物事がすっかり終わることを意味する「終了」、物事の終わりのところを意味する「終点」などがあります。 収束の意味 収束とは、 混乱していたものが落ち着くことを意味しています。 その他にも、数学である値に限りなく近づくことや、多くの光線が一点に集まることの意味も持っています。 「一日も早く事態の収束を願うばかりです」「台風の脅威が一旦収束しました」「政府はデモの収束を図る」などの文中で使われている収束は、「混乱していたものが落ち着くこと」の意味で使われています。 一方、「確率が収束するのは極めて当然である」「レンズを使って光を収束させる」などの文中で使われている収束は、「数学である値に限りなく近づくことや、多くの光線が一点に集まること」の意味で使われています。 収束という言葉は、混乱していたものが落ち着くことの意味で使われるのが一般的です。 新聞やテレビの報道などで収束を使う場合はほとんどこの意味でしょう。 数学である値に限りなく近づくことや、多くの光線が一点に集まることの意味は、日常的にはあまり使われません。 あまり使われない意味なのですが、中学校や高校の物理、化学、数学の授業でこの使い方をしたことがある人も多いはずです。 収束の類語・類義語としては、物事が一つの場所に集まることを意味する「輻湊」(読み方:ふくそう)、一つにまとまることを意味する収斂(読み方:しゅうれん)、同じものが重なり合うことを意味する「重複」などがあります。 収束の・反対語としては、意見や主張などが対立してもつれることを意味する「紛糾」(読み方:ふんきゅう)があります。 収束の収束の字を使った別の言葉としては、拾い集めることを意味する「収集」、一度配ったものをまた集めることを意味する「回収」、監獄に収容することを意味する「収監」、中に入れてしまっておくことを意味する「収納」などがあります。 終息の例文と使い方 6.原子力発電所の事故の収束に向けた取り組みが今まさにクライマックスを迎えようとしている。 この言葉がよく使われる場面としては、混乱していたものが落ち着くことを表現したい時などが挙げられます。 他にも、数学である値に限りなく近づくことや、多くの光線が一点に集まることを表現したい時に使います。 例文1から例文3は混乱していたものが落ち着くことの意味で使われています。 「収束を図る」「収束がつく」「収束に向かう」という言葉で表現することも多いです。 新聞やテレビの報道で、この言葉を見たり聞いたりしたことがある人も多いはずです。 例文4は多くの光線が一点に集まることの意味で使われています。 意味がとても限定的なのであまり馴染みない使い方になります。 例文5は数学である値に限りなく近づくことの意味で使われています。 こちらも意味が限定的なのですが、例文4のような使い方よりは馴染みのある使い方なはずです。 スマホゲームのガチャが好きな人は「確率の収束」という言葉を知っているはずです。 最後になりますが、終息か収束どちらを使うか迷った時は、終息は物事が完全に終わる時に使う、収束は混乱していたものが落ち着く時に使う、と覚えておけば間違いありません。
次の公開日: 2018. 01 更新日: 2018. 01 「収束」と「終息」の違いと使い分けとは?宣言するのはどっち? 「収束」という言葉をご存知でしょうか。 「事態が収束する」「争いが収束する」などと使います。 では、「収束」とは一体どういう意味なのでしょうか。 具体的な意味はよく分からないけれど、なんとなく使ってしまっているという人も多いかもしれません。 実は「収束」と間違えやすい言葉に「終息」があります。 どちらも「しゅうそく」と読みます。 同じ意味の感じがしますが、何か違いはあるのでしょうか。 言葉を正しく使うためには、しっかりと意味を理解する必要があります。 そこで今回は「収束」と「終息」の違いと使い分けについて解説していきます。 意味を正しく覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう! 「収束」の意味と使い方 読み方と漢字 「収束」は< しゅうそく>と読みます。 「集束」と書くこともできますが、 一般的には「収束」とすることが多いです。 「収」は音読みで「シュウ」、訓読みで「おさめる・おさまる」と読みます。 「収」は「取りまとめる。 まとまる」を意味します。 「束」は音読みで「ソク」、訓読みで「たば・つか・つかねる」と読みます。 「束」は「引き締めて一つにまとめる」を意味します。 一般的な意味と使い方 「収束」の意味は 「おさまりをつけること。 おさまりがつくこと」です。 分裂や混乱していたものが、まとまっておさまりがつくこと・おさまりをつけることを表します。 「収」は「取りまとめる。 まとまる」、「束」は「引き締めて一つにまとめる」を意味します。 「収束」には「多くの光線が一点に集まる」という意味も含まれます。 これは物理用語なので、日常的にはあまり使いません。 混乱していた状態が落ち着いてきたという場合に「収束」を使います。 「収束」は完全に終わるという場合ではなく、一定の状況に落ち着く、一旦まとまるという場合に用いるのが適します。 例えば、「事件が収束に向かう」「事故による一時の混乱は収束する」などと使います。 言い回しとしては、 ・収束する ・収束を図る ・収束に向かう ・収束をつける などとなります。 数学用語 数学においての「収束」は 「数列が、ある一つの有限確定の値にいくらでも近づくこと」です。 具体的には、 ・ある無限数列が、ある値にいくらでも近づくこと ・数列の項が、ある値に限りなく近づくこと ・級数の途中までの和が、ある値にいくらでも近い値をとること を表します。 収束しない場合は「発散する」と言います。 類語 収斂(しゅうれん) (意味:一つにまとまること。 まとめること) 「こんがらがっていた感情が一点に収斂する」 輻輳(ふくそう) (意味:方々から集まること。 ものが一箇所に混み合うこと) 「種々の交通機関が輻輳する」 交わり (意味:交わること。 付き合い) 「一切の交わりを絶つ」 重複 (意味:同じ物事が幾度も重なること) 「話が重複してしまう」 沈静 (意味:落ち着いて静かなこと) 「事態が沈静する」 収拾 (意味:混乱した状態などを、取りまとめること) 「収拾がつかない」 正常化 (意味:あるべき状態にすること) 「国交を正常化する」 平常化 (意味:常日頃のようにする) 「事態を平常化する」 鎮火(ちんか) (意味:火事の消えて鎮まること) 「鎮火して静かになる」 「終息」の意味と使い方 読み方と漢字 「終息」は< しゅうそく>と読みます。 「終 熄」と書くこともできますが、一般的には「終息」と書きます。 「終」は音読みで「シュウ」、訓読みで「おわる・おえる」と読みます。 「終」は「おわる。 おえる。 おわり」を意味します。 「息」は音読みで「ソク」、訓読みで「いき・やすむ・いこう」と読みます。 「息」は「やむ。 しずめる」を意味します。 意味と使い方 「終息」の意味は 「事が終わって、おさまること」です。 物事がすっかり終わること・事態が完全に集結することを表します。 完全に物事が終わるという場合に「終息」を使います。 世界的に重大な戦争が終わった時や、一つの時代が終わった時などは「終息」が適します。 例えば、「戦争が終息を迎える」「インフレが終息する」などと言います。 「終息」=「息が終わる」=「エンド」と覚えておきましょう。 言い回しとしては、 ・終息する ・終息を迎える ・終息に向かう などとなります。 類語 終わる (意味:物事や動作が最後の段階まで行きついて,それ以上続かなくさま) 「やっと片付けが終わる」 ストップ (意味:止まること) 「雷で電車がストップしてしまった」 完結 (意味:しめくくりがついて、すべて終わること) 「楽しみにしていた連載漫画が完結した」 済む (意味:物事が終わる。 終了する) 「課題がいつもより早く済んだ」 終結 (意味:物事のおさまりがつくこと) 「AさんBさんとの争いはやっと終結した」 止まる (意味:動いていた人物などが動かなくなる) 「前の人が急に止まったのでびっくりした」 終止 (意味:終わりにすること) 「長期に渡った関係に終止符を打つ」 完了 (意味:全てが終わること) 「準備が完了したので始めることにする」 終了 (意味:物事が終わりになること。 終わりにすること) 「そろそろ業務を終了する」 例文 例文 ・ファミコンブームが終息した今、携帯式ゲームが人気となっている。 ・注射を呼びかけた効果があり、蔓延していた感染病が終息した。 ・地震による困難や事故については、なかなか終息しない。 ・長い期間に渡って起きていた暴動は終息を迎えた。 ・生産終息品については、最終セールを実施する予定だ。 ・全土に流行したものの、来週にはインフルエンザの終息宣言ができるだろう。 ・麻疹が注目を浴びているが、いつ終息するかについては気になるところだ。 ・新しい理事長が就任したことから、事件は終息に向かうことになった。
次の「終息」と「収束」の違いは? 「終息」と「収束」の違いは• 「終息」は「ものごとが終わること」• 「収束」は「混乱などが落ち着くこと」 となります。 それぞれの意味をみていきましょう。 「終息」の意味 「終息」は「やむこと。 終わること。 絶えること」という意味です。 「しゅうそく」と読みます。 「終」はもちろん「終わる」という字ですね。 「息」も、吸ったり吐いたりする息だけでなく、「休む」「終わる」といった意味があるのです。 「終息」はどちらも「終わる」という意味の漢字から成り立っており、似た意味の漢字を重ねることで 「完全に終わる」という意味を表しています。 【例文】• 長く続いた内戦がやっと終息した。 世間を騒がせた事件が終息する。 インフレが終息する。 「収束」の意味 「収束」は「混乱していたものがまとまって収まりがつくこと」という意味です。 こちらも 「しゅうそく」と読みます。 「収束」は「収まる」「束ねる」という漢字を書きますね。 どちらも物事をまとめる意味の字ですので、こちらの 「収束」は「物事が落ち着いた状態になる」ことを表します。 「収束」には、他にも「数学で、ある値に限りなく近づくこと」「多くの光線が一点に集まること」などの意味もあります。 【例文】• この事態はいつになったら収束するのだろう。 問題は収束したものの、今後繰り返さないように気をつける必要がある。 デモ収束を図る。 「終息」と「収束」の違いまとめ 「終息」と「収束」の違いをまとめると、• 「終息」は「ものごとが完全に終わること」• 「収束」は「混乱などが一定の状態に落ち着くこと」 となります。 例えば、 「この問題が終息する」であれば、完全にその問題が解決して終了することを表します。 「この問題が収束する」であれば、完全に終わったわけではなくても状況がかなり落ち着いたということを表します。 耳で聞いただけでは「終息」なのか「収束」なのか分かりませんし、どちらでも意味が通じるような場合も多いので、発言した人がどのような意味で言っているのかは注意する必要がありますね。 感染症などにはどっちを使う? 近頃の、新型コロナウイルスに関する報道や会話、SNSなどで「しゅうそくしてほしい」とか「しゅうそく宣言」など、「しゅうそく」という言葉がよく使われますよね。 文字で書いてある場合にも「終息」「収束」どちらも使われています。 こうした感染症などについて述べる際の「しゅうそく」は、どちらを使うのが正しいのでしょうか。 結論から言うと、「終息」「収束」どちらも使います。 文脈によってどちらの「しゅうそく」なのか判断します。 「終息」と「収束」の類義語 「終息」の類義語には次のようなものがあります。 終わる• 完結 「収束」の類義語や言い換え表現には次のようなものがあります。 鎮まる• 落ち着きを取り戻す• 沈静化する• 日常を取り戻す 「終息」と「収束」の対義語 「終息」の対義語は次のようなものです。 発生 「収束」の対義語は次のようなものです。 発散 まとめ 「終息」は完全に終わること、「収束」は状態が落ち着いてくることというわけで、二つの「しゅうそく」には意味の違いがありましたね。 口頭で話している時などは、「終息」でも「収束」でも意味が通る場合もよくありますので、どちらの意味で使われているのか注意して聞くようにしましょう。 新型コロナウイルスの流行に関しては、早く「収束」して「終息」を迎えて欲しいところですね。 最後までお読みくださりありがとうございました!.
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