玉葱 と クラリオン。 クラリオン

ネタバレあり感想: 玉葱とクラリオンの話と強い思い入れ

玉葱 と クラリオン

この小説の作品情報 あらすじ 中世ヨーロッパ風の異世界に突然放り込まれた大学生がチートな腕っぷしの強さではなく、知識と知恵を総動員しての戦術で、亡国の危機にある王国を救っていくお話。 個ではなく『軍対軍』によるガチ戦争物。 作者の趣味で、魔法や異種族といったファンタジー要素は無きに等しいです。 リアル志向で戦術を使い、現実的に敵の大軍を蹴散らしていきます。 あらすじの通り、 主人公はチート能力が一切ありません。 一般人のまま異世界へと迷い込んでしまいます。 迷い込んだ先は戦場のど真ん中。 「怪しい奴め!」と殺されそうになるところで間一髪で助かります。 しかし、助けてもらったその国は絶体絶命状態でした。 最初は傍観気分であった主人公ですが、戦場を肌で触れているうちに助けようとします。 主人公には、大学で戦術をを研究していたため、それに関する知識が豊富にありました。 それを用いて活躍していきます。 このように、主人公はあくまで一般人の域を出ません。 主人公が活躍するのはその知識によってです。 文字数 およそ37万文字です。 文庫本でいえば3冊ぐらいでしょうか。 いくつもの章に分かれているので読みやすいです。 この小説の魅力 この小説の魅力は何といっても 戦場の様子を細部にわたって描写している点でしょう。 普通の戦場モノですと、戦場で起きた大雑把な出来事ぐらいしか描写していないことがほとんどです。 この小説では例えば、戦場の陣形についてはもちろんのこと、その陣形のリーダーが誰々で、それぞれの陣形の動きまで事細かに書かれています。 そのため、 戦場の臨場感がこれ以上ないほど伝わってきますし、戦略や戦術もとても凝ったものとなっています。 そして、書き手の文章力も臨場感アップに役立てています。 僕は今までいろいろな戦記モノも読んできましたが、この小説に出会うまではいまいち戦場がどういったものかわかっていませんでした。 万と万の軍勢がぶつかるということがどういったことか、この小説はその有様を見事に表現しています。 以下、その文の抜粋です。 万の敵軍。 その地鳴りが丘上にいる真の元まで響き、足元の小石が振動で揺れカタカタと音を立てる。 すごい……これが戦場の突撃か 真はそれを見てただただ圧倒され、呆然としていた。 空気が重い。 心臓が締め付けられるような緊張感。 立っているのが大変なくらいの「重み」がここにはある。 正直、息をするのでさえもやっとだ。 戦場は人と人が戦う以上の「重み」があるということがありありと伝わってきます。 その場にいるわけでもないのに、 戦場の緊張感まで伝わってきそうです。 戦場の描写にかけては随一といっていいでしょう。 他にも、戦場の動きは文章でも詳しく説明してくれるのですが、それでもわかりづらい方のために図まで用意してくれています。 いついつにどこどこの軍勢が攻め、それによって陣形がどう変わったのかということが 漫画のコマのように、図が準備されているので非常にわかりやすい。 戦争ってこんなことまで考えて行われているんだと、目から鱗でした。 この小説を読むとほかの戦記モノ読めなくなってしまうのではないのかと思うほど、その描写はこと細かいです。 おそらく、 作者も相当考えて文章を練っているんだろうなということが伝わってきます。 この小説は硬派な戦記モノとなっているため、当たり前ですが女の子はあまり出てきません。 最初に王女が出てくる以外、戦場には男しかいません。 しかし、 男たちの生き様といいますか、戦場での覚悟といいますか、そういったものが感じ取れます。 気分はまるで三国志を読んでいるようです。 本当の戦場がどういったものかをこの小説で体験してみてはいかがでしょうか。 まとめ どうでしたか、この小説の魅力が一片でも伝われば幸いです。 戦記モノの小説は知識がなければかけないので、小説家になろうでもあまりみかけません。 その中で、こんなにレベルが高い小説が現れたことはとてもうれしいことですね。 僕は戦記モノも大好きなので今以上にもっと増えてほしいです。

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『小説家になろう』での実力派作品の発掘記録

玉葱 と クラリオン

この小説の作品情報 あらすじ 中世ヨーロッパ風の異世界に突然放り込まれた大学生がチートな腕っぷしの強さではなく、知識と知恵を総動員しての戦術で、亡国の危機にある王国を救っていくお話。 個ではなく『軍対軍』によるガチ戦争物。 作者の趣味で、魔法や異種族といったファンタジー要素は無きに等しいです。 リアル志向で戦術を使い、現実的に敵の大軍を蹴散らしていきます。 あらすじの通り、 主人公はチート能力が一切ありません。 一般人のまま異世界へと迷い込んでしまいます。 迷い込んだ先は戦場のど真ん中。 「怪しい奴め!」と殺されそうになるところで間一髪で助かります。 しかし、助けてもらったその国は絶体絶命状態でした。 最初は傍観気分であった主人公ですが、戦場を肌で触れているうちに助けようとします。 主人公には、大学で戦術をを研究していたため、それに関する知識が豊富にありました。 それを用いて活躍していきます。 このように、主人公はあくまで一般人の域を出ません。 主人公が活躍するのはその知識によってです。 文字数 およそ37万文字です。 文庫本でいえば3冊ぐらいでしょうか。 いくつもの章に分かれているので読みやすいです。 この小説の魅力 この小説の魅力は何といっても 戦場の様子を細部にわたって描写している点でしょう。 普通の戦場モノですと、戦場で起きた大雑把な出来事ぐらいしか描写していないことがほとんどです。 この小説では例えば、戦場の陣形についてはもちろんのこと、その陣形のリーダーが誰々で、それぞれの陣形の動きまで事細かに書かれています。 そのため、 戦場の臨場感がこれ以上ないほど伝わってきますし、戦略や戦術もとても凝ったものとなっています。 そして、書き手の文章力も臨場感アップに役立てています。 僕は今までいろいろな戦記モノも読んできましたが、この小説に出会うまではいまいち戦場がどういったものかわかっていませんでした。 万と万の軍勢がぶつかるということがどういったことか、この小説はその有様を見事に表現しています。 以下、その文の抜粋です。 万の敵軍。 その地鳴りが丘上にいる真の元まで響き、足元の小石が振動で揺れカタカタと音を立てる。 すごい……これが戦場の突撃か 真はそれを見てただただ圧倒され、呆然としていた。 空気が重い。 心臓が締め付けられるような緊張感。 立っているのが大変なくらいの「重み」がここにはある。 正直、息をするのでさえもやっとだ。 戦場は人と人が戦う以上の「重み」があるということがありありと伝わってきます。 その場にいるわけでもないのに、 戦場の緊張感まで伝わってきそうです。 戦場の描写にかけては随一といっていいでしょう。 他にも、戦場の動きは文章でも詳しく説明してくれるのですが、それでもわかりづらい方のために図まで用意してくれています。 いついつにどこどこの軍勢が攻め、それによって陣形がどう変わったのかということが 漫画のコマのように、図が準備されているので非常にわかりやすい。 戦争ってこんなことまで考えて行われているんだと、目から鱗でした。 この小説を読むとほかの戦記モノ読めなくなってしまうのではないのかと思うほど、その描写はこと細かいです。 おそらく、 作者も相当考えて文章を練っているんだろうなということが伝わってきます。 この小説は硬派な戦記モノとなっているため、当たり前ですが女の子はあまり出てきません。 最初に王女が出てくる以外、戦場には男しかいません。 しかし、 男たちの生き様といいますか、戦場での覚悟といいますか、そういったものが感じ取れます。 気分はまるで三国志を読んでいるようです。 本当の戦場がどういったものかをこの小説で体験してみてはいかがでしょうか。 まとめ どうでしたか、この小説の魅力が一片でも伝われば幸いです。 戦記モノの小説は知識がなければかけないので、小説家になろうでもあまりみかけません。 その中で、こんなにレベルが高い小説が現れたことはとてもうれしいことですね。 僕は戦記モノも大好きなので今以上にもっと増えてほしいです。

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ネタバレあり感想: 玉葱とクラリオンの話と強い思い入れ

玉葱 と クラリオン

実は自分は異世界からやって来て・・・」 基本的にサイト「小説を読もう」のランキングを毎日チェックしているのですが、最近は目新しい作品の登場がめっきり減ったように思えます。 面白い作品そのものが減ったのか、それとも僕のハードルが高くなったのかわかりませんが、悲しいことです。 さて、そんなことは置いといて、本日紹介する小説も一風変わったモノとなります。 異世界行ってチート能力を与えられたにもかかわらず、ネタでしか使われないという珍しい小説。 始終コミカルな感じで、顔がにやけてしまう。 ではご紹介しましょう、「玉葱とクラリオン」です。 作品情報、あらまし紹介 ソシャゲで遊んでたら異世界に迷い込んでいた青年、但馬波留。 剣と魔法が支配するゲームみたいな世界に困惑しつつも、現代人の知識を頼りに立身出世しようと目論むが……そこはかつて勇者が君臨していた内政チート国家だった。 空腹は満たされ清潔な衣服を纏う人々。 経済的に町は潤い鉄筋コンクリートの家が建ち並ぶ。 生半可な知識は通用せず、ろくな職にもつけず埋没する彼は、生き残りをかけた起死回生の策に打って出た。 「他ならぬあなただけに、特別なお話があるんです。 いえいえ、怪しくなんかありません。 私の故郷ではねずみ講と言うのですが……」 これは詐欺師と蔑まれ、後にソープ王と呼ばれた男の異世界サクセスストーリー。 さて、面白い作品というものは得てしてあらすじからそういった雰囲気がビシバシと伝わってきます。 使われている語彙、文章の流れや構成、そういった個々の要素が合わさってこの作品が面白そうだということを伝えてくれます。 この小説でいえば、あらすじを読むだけで続きが気になってしまう。 わざわざ異世界へ行ってまでねずみ講をするという、常軌を逸した発想。 そして主人公がチート能力を持って無双するような単純なお話でないこともポイントが高いですね。 内政チートもできず、追い詰められた主人公が果たしてどのような策を弄して逆境から抜けだすのか、そういったことを期待しながら読み進めることができるというわけです。 そして読んでみればわかると思いますが、この作品は先の展開が全く読めません。 まさに作者独自の世界観が展開されているわけです。 ありふれた異世界転移ものを読み飽きた人にとっては特に新鮮な気持ちで読めるでしょう。 作品の魅力 まず、この作品の魅力はなんといってもそのコミカルさにあるでしょう。 とにかく笑ってしまう。 何度も「え?そうなるの!?(笑)」という気持ちにさせてくれます。 あらましでも紹介したように、とにかく先の展開が全く読めません。 そのため、読者の予想もつかなかった方向に物語が進むことが多々あるわけです。 そしてその方向性が笑いを誘うようなものばかりなのです。 例えば、次の文章を読んでみてください。 本文中からの抜粋で、主人公がチュートリアルを受けている場面となります。 『それじゃ、次は武器の使い方を覚えよう! と言っても、君はまだ何も武器を持っていないね?』 「お、おう。 まあな」 よそ事を考えていたら、チュートリアルが勝手に進んでいた。 どうやら、今度は武器についての説明らしい。 もしかしてこれはあれか。 武器は持ってるだけじゃ駄目、ちゃんと装備しないと意味が無いとか、お決まりの台詞が聞けるのだろうか。 『そう言うときは手近なものを手に取ろう。 例えば、そこに落ちてる石を使えば投石が出来るよ』 「……い、いや、そりゃ、そうだろうけどさ……」 チュートリアルといえば、読者は「ちゃんと装備しないと意味が無い」というセリフを連想しますが、まさかの投石。 主人公が地の文で予防線を張っていただけに、そのインパクトは更に大きい。 こういった書き方が上手いのもこの作品の特徴というわけです。 まるで、主人公と物語が行っている漫才を見ているかのようで、様々な場面で笑わせてくれます。 なお、個人的に一番ツボに入ったのはこの場面ではありません。 それは、みなさんが読む時の楽しみとしておきましょう。 次に、この作品の魅力について言えば、多くの雑学を知ることができます。 作者の教養の深さに驚かされるぐらい、様々な雑学が登場します。 建築に関する知識、化学に関する知識、歴史に関する知識、読みながら思わず「へぇ~」と言ってしまいそうになります。 例えば、PXに関する説明の一部を抜粋すると、 PXとはPost eXchangeの略で 酒保 しゅほのことである。 酒保とは軍隊内におかれた日用品・嗜好品を格安で提供する売店のことである。 かつて戦場において兵站は、それぞれの部隊ごとで自前に用意しており、軍人は貰った給金で現地調達するのが常だった。 当然、多少の携帯糧食は持っていたし、兵糧部隊が後を追いかけたことも確かであったが、これらがまともに行き渡ることは無かった。 色々と理由があるのだが、軍は神速を尊ぶのが最たる理由か。 (・・・続く) これはほんの一部で、この後にもPXについての説明が長々と続きます。 説明が多くなるとつまらなくなりがちですが、 この小説の素晴らしいところは、単に辞書的な説明をしているわけではないという点です。 読者が読みやすいように、砕けた口調で、そして物語に関係のある部分だけを説明することによって読者に興味関心を抱かせます。 まあ、簡単にいえば読みやすいということです。 それに、ここまで詳しく説明してくれる小説もなかなか無いでしょう。 最後になりましたが、本作品は当然ながら文章力も申し分なく高いですね。 抜粋した文章を読んでもらえばわかると思いますが、作者の豊富な語彙力によってとにかく読みやすい。 そして、それだけではなく 情景描写も優れている例をお見せしましょう。 宝石箱をひっくり返したかのような星々の散らばる夜空の向こうには、大星雲をバックに満月が浮かんでおり、そして振り返るように中天の程近くを見上げれば、また別の下弦の月が 静謐 せいひつな光を 湛 たたえ、そこにあるのだった。 海から吹き寄せる磯の香りが鼻を突く。 さざなみの打ち寄せる波打ち際は、真っ暗な海に月光が反射して、まるで真夏のアスファルトみたいにギラついていた。 潮騒は心地よく、春のような暖かさを感じさせる。 当たり前の海岸のはずなのに、決してありえない風景だった。 月がそれを非現実へと変えていた。 どうですか?美しい夜空の光景が自然と頭に思い浮かびませんか? Web小説でここまでかける作者はなかなかいません。 この巧みな文章力によって、物語にさらなる臨場感をもたらしてくれるわけです。 まとめ あまり小説を読みたい気分出なかった時に読み始めた作品だったのですが、あまりにも面白かったために、深夜4時まで読んでしまいました。 おかげで次の日は頭が痛くなるほどの眠気に襲われましたが。 上で非常に高評価していますが、 実は中盤辺りから失速しているような印象を受けました。 コミカルから急にシリアスな場面に変わったせいなのか、そこの場面転換が急すぎて読者が順応しにくいように思えます。 しかしそれでも、面白い事には変わりませんので、ぜひ読んでみてください。

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