アメリカン ビューティー 映画。 「アメリカン・ビューティー」あらすじ・ネタバレ

「人は「美しさ」に惑わされる。」アメリカン・ビューティー DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)

アメリカン ビューティー 映画

正直、痛い映画だった。 まるで細かいガラスの上を素足で歩いているのに、社会という床が空回りしていて、傷つけたくないものを傷つけてしまうような。 でも、ただアメリカの現代社会を皮肉っている映画だったら、「自分が何に触れたんだろう・・」なんて考えるために感想を書こうとはしないけど、映画の完成度なのか、見終わった余韻がなにかを書き留めておきたくなる気分にさせられました。 (映画の中身はネタバレになるので、見終わって感じたことを・・) 嫌いな人って、その人に自分の醜い部分が見えてしまって、まるで自分を見ている気分になってしまうから。 見たくない現実からは目をそむけたくなるのも、それが自分の一部だってどこかでわかっているから。 この映画も、「これはフィクションだよ。 これはアメリカの現代社会だよ。 」って、自分の世界と切り離して観たくなる気持ちは逆説で、どこかに自分が映し出されているような気がしてならないから、顔を覆いながらも指の隙間から見入ってしまいます。 登場人物はみんな滑稽だけど、憎めない。 いや、憎みきれない。 それはどこか自分だから。 空回りした世界に振り回されて、自分の足元が見えなくなることってよくあるけど、そんな時にこそ、どうすべきなのか?この映画の余韻は、それを考えさせてくれる時間を与えてくれたような気がしました。 むしろ、答えよりも大切な余韻を。 自分だったら、この物語の世界をどの立場でどうやって生きたんだろう・・・って。 先日、知人との会話で、自分史を書くには、 「自分のことを語っても人は関心をもたないから、小説にして書くといい」と聞いてなるほど、と思いました。 正論で今の社会はこんなに病んでいるって聞かされても、ぴんとこないけど、フィクションにされると、逆に自分のことのように、物語を共有してしまう。

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「人は「美しさ」に惑わされる。」アメリカン・ビューティー DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)

アメリカン ビューティー 映画

簡単なあらすじ 1 42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム ケヴィン・スペイシー は、仕事にも熱を入れられず、妻や娘との関係に問題を抱えていた。 そんな中、娘・ジェーンの友達・アンジェラ ミーナ・スバーリ に恋をしてしまう。 2 アンジェラに恋をし、彼女の「マッチョになった彼と寝たい」という言葉で、レスターの心は変わってしまう。 仕事を辞め、好きなクルマを買い、ドラッグを始める。 そして、アンジェラと寝るために筋トレを始めるのだった。 3 隣の家に引っ越してきた元海兵大佐のフランク・フィッツ クリス・クーパー の一家。 フランクは、息子・リッキーがレスターと同性愛の関係にあるのではないかと疑い、リッキーを殴って家から追い出す。 だがその後、フランクはレスターに会いに行ってキスをするも、拒まれる。 4 家にやってきていたアンジェラと、レスターは寝ようとするが、実はアンジェラは経験がないことを知り、冷静になって寝ることをやめる。 そんな彼が、父親としての自覚を取り戻しつつあった時、フランクがレスターの頭を撃ち、レスターは死亡する。 ここがポイント 冒頭で、「私は1年経たぬ内に死ぬ。 だが、今はそんなことは知らない」という、グッとストーリーに引き込まれるナレーションで物語は始まる。 42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム ケヴィン・スペイシー の一家が、徐々に崩壊していく。 「アメリカ的な美」とされるものが、いかにその実情がバカバカしく、脆く儚いものなのか、ブラックユーモアたっぷりに描かれている。 そして冒頭で予言しているかのように、レスターは隣人に射殺されるが、どのようにしてそうなるのか、結末で明らかとなる。 起:アンジェラとの出会い シカゴ郊外の新興住宅地にバーナム一家は住んでいた。 42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム ケヴィン・スペイシー は、野心的な不動産ブローカーの妻・キャロリン アネット・ベニング 、反抗期を迎えた高校生の娘ジェーン ソーラ・バーチ の3人暮らし。 妻とはしばらく寝ておらず、娘もろくに口をきかない。 そしてレスター自身も、会社では窓際族であり、中年の危機を感じていた。 そんなある日、レスターは妻のキャロリンとともに、娘・ジェーンのチアガールでの応援姿を見に行く。 気が進まず、渋々見に行ったレスターだったが、彼はジェーンの友人の美少女アンジェラ ミーナ・スバーリ に恋をしてしまう。 隣家に、元海兵大佐のフランク・フィッツ クリス・クーパー たち一家が引っ越してくる。 長男のリッキー(ウェス・ベントレー)は、常にビデオを手放さず、強迫観念的に記録をし続けるという、陰気な青年であった。 そんな彼に、ジェーンは惹かれて付き合い始める。 承:レスターの変化 レスターは、不動山王バディ ピーター・ギャラガー のパーティーに妻の付き添いで出席させられる。 そこでボーイとしてバイトをしていたリッキーに声をかけ、実はドラッグの売人をしていると打ち明けられ、リッキーからブツを手に入れる。 帰宅すると、アンジェラが泊まりに来ていた。 ジェーンの部屋の会話を盗み聞きしていたレスターは、「マッチョになったら、レスターと寝たい」と言っているのを聞く。 興奮したレスターは、素っ裸になって筋トレを行う。 その様子を、リッキーが撮影していた。 レスターは、アンジェラのことを想い、ベッドで自慰にふける。 だが、横で寝ていた妻・キャロリンに気づかれ、「離婚よ!」と騒ぎ立てられ、逆ギレする。 そこから、レスター自身、何かが変わったのを自覚する。 転:フィッツ家の問題 レスターは、家族に相談もなしに会社に辞表を提出し、上司を不倫をバラすぞと脅して多額の退職金を得る。 憧れのクルマを購入し、学生時代にバイトしていたハンバーガーショップで、アルバイトを始める。 そして、アンジェラと寝るために、筋トレを行う。 キャロリンは、そんな夫に嫌気がさして、不動山王・バディと不倫を行って鬱憤を晴らす。 一方、リッキーは、ジェーンと順調に交際を続けていた。 リッキーには、ドラッグをやっていることを父親に見つかってしまい、陸軍学校に入れられた過去があった。 今もそんな息子を疑うフランクは、外出するリッキーの姿を追うと、レスターと一緒にいる姿を見かける。 ゲイの息子など勘当する、と激昂して殴りつけてきたフランクにリッキーも怒り、家を出て行く。 その後、雨の降る中、呆然とした様子のフランクは、レスターのところに行く。 そして、フランクはレスターにキスをする。 それを拒絶するレスターの様子にフランクは驚き、肩を落としながら帰って行く。 結:レスターの最期 キャロリンは、バディとの情事の最中、レスターに知られてしまい、動揺する。 そして、夫を憎み、銃をカバンに入れて自宅へと向かう。 父親に殴られたリッキーは、ジェーンと駆け落ちをしようとしていた。 アンジェラは、そんな彼女たちを止めようとするが、ジェーンは耳を貸さなかった。 逆に、その偽善的な言葉にジェーンは怒り、アンジェラは泣き出してしまう。 そんなアンジェラを慰め、レスターはついにアンジェラと寝ることに成功するかに見えたが、アンジェラが急に不安な表情で「処女なの…」と告白。 レスターは急に冷めたように抱くことを諦める。 そして、「ジェーンは好きな人ができたみたい」というアンジェラの言葉に、まるで、熱に浮かされていたかのような日々から解放され、ようやく父親としての自覚を取り戻す。 家族の写真を見るレスターの頭を、けたたましい銃声を鳴り響き、一発の銃弾が撃ち抜いた。 レスターに拒絶されたフランクが、レスターを撃ったのだった。 死ぬまでの短い間、好きなことができたレスターの表情は、幸せそうに微笑んでいた。

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映画『アメリカンビューティー』紹介、美しき破滅・・・美しき家庭崩壊・・・美しき人生崩壊・・・[ネタバレなし]

アメリカン ビューティー 映画

アメリカンビューティーと聞いて何を思い浮かべますか?アメリカン・ビューティーとはバラの名前です。 映画のタイトルももちろんそこからきています。 映画の中で主人公レスターの奥さんが庭に植えているのはこのアメリカン・ビューティー。 そしてレスターの痛い妄想の中で女子高生の官能的表現として使用されているのもアメリカン・ビューティーです。 そういったバラを随所に出すだけで、映画『アメリカン・ビューティー』と付けたのではもちろんなく、『アメリカン・ビューティー』=アメリカンなビューティー=アメリカの美しさという意味も持ちあわせています。 となると何となく「美しい映画なんだ!!」と思って当時劇場に行かれた方も多いかもしれませんね。 その感覚で行かれたか方には大方評判が良くないのはちょっと残念ですが。 なぜ「アメリカの美しさ」を求めて映画に行くとがっかりするのか? 理由は簡単で、「アメリカの美しさ」というタイトルを付けた家庭崩壊の話だからです。 世間的にはどこにでもある裕福な中流家庭。 要するに外見は美しい。 でもその内部、家庭内はぼろぼろで、そのただでされぼろぼろな状況が、 音を立てて崩れていく様が描かれるのです。 そんな映画に「アメリカの美しさ」とタイトルを付けるのは要はブラックジョークなのです。 今回はそんな『アメリカン・ビューティー』 の奥深さをお伝えしたいと思います。 妻に浮気され、娘に嫌われ、リストラされ、最後は殺される。 ひどいwww あ、最後に殺されるというのはラストのネタバレかと思われますが、大丈夫です。 なぜなら映 画の冒頭でケヴィン・スペイシー演じるレスターのナレーションで 「僕は殺される」 て言って始まるからです。 最初見た時結末最初に言うのかよってびっくりしましたけどw しかし誰に殺されるのか? なぜその人に殺されたのか? それを映画が終わった後考えるとこれまた深いものを感じることができます。 近年『ノーカントリー』という映画でも似た表現がされていましたが、 この映画の主人公一家と隣の一家、そしてそれらを取り巻く環境は、 アメリカの社会というものの縮図となっています。 湿った空気の流れる冷たい家庭 仕事がつまらなくやる気をなくした夫 浮気に走る妻 親を嫌う娘 麻薬の売人 麻薬の常習者 虐待 精神病 同性愛 殺人 未成年との恋愛 これでもかの負の要素、それが小さな小さな人間関係の中に体現されています。 しかしそれらはサム・メンデス監督の圧倒的な演出により陰鬱な空気が払拭され、 軽快に時に笑えるような演出の元進んでいくのです。 こういったテーマなので爽快感はもちろんないですが、 これだけのテーマであるなら十分な爽快感を味わえる映画です。 「アメリカの美しさ」とは言いますが、 このアメリカとは何を指しているのかも考えどころです。 何年も前ですが、 これは「白人アメリカ」を指しているのではないだろうかという指摘を目にしました。 よく見るとこの映画、主要登場人物が全て白人アメリカ人なんですよね。 (言葉悪いですが)普通なら黒人やアジア人が入っているものです。 映画の公開は2000年なので現在のようにオバマ大統領の元のアメリカとは状況が異なりますが、 当時の白人アメリカ社会への痛烈な皮肉が映画には込められている気がしますね。 それを確信したもう1つの要因は、映画見た方なら記憶にあるアレによってです。 そう、 飛ぶビニール袋。 スーパーのビニール袋が風にあおられて、 ふわふわ宙を舞っている状況をこの映画では 「これが最も美しい」 と言っています。 ビニール袋の色は? 白です。 白いビニール袋がどこに行くかもわからず風に身を任せてただ宙を舞っている。 白いビニール袋を白人に置き換えると?そういうことになります。 この映画は日本人向けかというとそんなことはないでしょう。 アメリカの家庭が崩壊していく様を描いたコメディー映画ですから。 コメディーなのに笑えない方も多いでしょう。 しかし、映画のストーリーから少し視野を広げた時、とてもとても深いメッセージはそこにはあると感じることの出来る映画なのです。 魅力あるものにしているのはやはり主演男優賞受賞のケヴィン・スペイシーの演技であり、 他のキャストの演技であり、サム・メンデスの演出であり、 映像美であり、音楽であり、、、 全ての融合により芸術作品という名の相応しい完成度にあるのでしょう。 小さなエピソードもアメリカを象徴しているのでそういった点でも考えさせられます。 例えばチアガールの女の子が最後レスターの前で泣くシーン。 見た目と実際のギャップというやつですね。 振る舞いと本当の自分は異なるもの・・・ 深いです。 当時「期待ハズレ」であった方も見方を変えて何かを感じ取れたらいいなと思います。 答えがそこにあるわけではない。 しかし考えさせられる何か不思議な魅力にこの映画は溢れているのです。

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