カローラ ツーリング mt。 【試乗記】「トヨタカローラツーリング」

トヨタカローラツーリングGT

カローラ ツーリング mt

シリーズで最も人気のワゴンモデル 何かと話題のカローラである。 「プリウス」や「C-HR」などと同じ「GA-Cプラットフォーム」の採用、初の3ナンバー化、日本独自仕様のボディー、ワゴンモデルの「フィールダー」から「ツーリング」への名称変更など、トピック満載だ。 日本を代表する大衆車だけのことはある。 2019年10月の車名別月間販売台数では3位に食い込み、売れ筋の軽スーパーハイトワゴンに伍(ご)して健闘している。 発売から1カ月でセダン・ワゴン合わせて受注が1万9000台を突破した。 そのうち1万3700台がツーリングである。 カローラシリーズの過半を占めるという人気だ。 ワゴン市場もシュリンクしているが、セダンやハッチバックよりは元気ということだろう。 東京モーターショーでプロトタイプが発表されたが登場するのは2020年中頃になるようだから、同セグメントの競合車種はしばらく不在になる。 最上級グレードという位置づけである。 ボディーサイズが拡大したというが、ひと目見てそれほど大きいとは感じなかった。 海外バージョンよりひとまわり小さくした努力が実ったのだろう。 せっかく幅を狭くしたのだから、「ナロー・カローラ」と呼びたいところだ。 幅よりも印象的なのは、低さである。 黒ホイールのヤンチャ感と相まって、うっかりすると改造車に見える。 駐車枠に止める時は、車止めに当たらないか心配になった。 GA-Cプラットフォームは低重心化に役立っているというが、ビジュアル的にこんなに低く見えるのは初めてだ。 ハッチバック版の「カローラ スポーツ」も驚くほどには低く見えなかった記憶がある。 ワゴンというオーソドックスな車型だからこそ、低さに意外性があるのかもしれない。 国内仕様の「カローラ ツーリング」は、海外仕様と比べて全長が155mm、全幅が45mm、ホイールベースが60mm小さい。 インストゥルメントパネルまわりの意匠は基本的にセダンやハッチバック車と共通。 オプションで白と黒のツートンカラーも用意される。 これまでにさまざまな名称が用いられてきた「カローラ」のワゴンモデル。 「ツーリング」という名称は今回が初だが、過去には「ツーリングワゴン」という名が使われていたこともあった。 内外装はスタイリッシュかつスポーティー 低い構えの恩恵もあって、とてもスタイリッシュな外観だ。 荷室容量を最優先するゴリゴリの実用車ではないから、ルーフラインは緩やかなカーブを描いて下がっていく。 それに対し、サイドウィンドウはリアに向けて上昇し、躍動感を演出している。 スタイルを重視したことで、先代モデルの「カローラ フィールダー」より荷室容量が減ってしまったのは仕方がない。 通常時392リッター、最大で802リッターを確保しているから、実用上は問題ないだろう。 インテリアははっきりとスポーティーなしつらえである。 ダッシュボード上面はすっきりフラットになっており、前方視界は良好。 鮮やかな発色のオプティトロンメーターが若々しさをアピールするが、パネル表皮に用いられている素材は上質で大人っぽい。 しっとりした感触で、ていねいに細かなステッチが施されている。 30代から80代まで幅広いユーザーをターゲットにしなければならないので、こういうバランス感覚が必要なのだ。 旧型からの乗り換えだけでなく、カローラシリーズには他モデルからの移行も期待されている。 もうすぐ買えなくなる「プレミオ/アリオン」や「マークX」の受け皿となる可能性は高い。 サイズ感がほぼ一緒の先代プリウスから移ってくる顧客も多いだろう。 カローラには、小型セダン/ワゴンのマーケットを一手に引き受ける使命があるのだ。 ハイブリッドシステムには、先代の1. 5リッターではなく1. 8リッターエンジンが使われている。 ボディーが大きくなったことに伴ってパワーユニットも強化され、明確に車格がひとつ上がったという感じがする。 現行プリウスと同じものだから、慣れ親しんだ感覚である。 低速では静かで穏やかな振る舞いを見せ、いざというときにはモーターが力強く支援する。 柔らかで優しい乗り味 はっきり異なるのは、乗り味が優しいことだ。 プリウスもGA-Cプラットフォームの採用でNVHが劇的に改善したが、カローラ ツーリングはさらに上を行く。 盤石なシャシーを生かし、路面変化を柔らかに受け止める。 カローラ スポーツ発売時から、熟成を重ねた成果のようだ。 高速道路での安定性も申し分ない。 GA-Cプラットフォームは見た目以上に低重心を実現しているので、高速コーナーで路面にピッタリと吸い付いている安心感がある。 試乗日は台風直後だったので山道は走れなかったのだが、ワインディングロードでも俊敏な動きを見せてくれそうだ。 走行中のロードノイズや風切り音はしっかりと抑えられていて、合格点である。 ボディーサイズの拡大で懸念されたのは、街なかの狭い道での取りまわしである。 先代モデルから50mm幅が広くなっているわけだが、試乗では特に不便は感じなかった。 実際にはガレージのサイズがギリギリだったり、家の前の道が狭かったりして、50mmの差がクリアできないというケースもあるだろう。 プレミオ/アリオンが消滅して5ナンバーセダンがなくなってしまうという状況は困るというユーザーも多いに違いない。 これから新たな選択肢が提案されるのだろうか。 予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が標準装備されており、プリクラッシュセーフティーシステムは自転車や歩行者にも対応した。 こうした先進安全装備は、今や必須のものとなっている。 新型カローラの新しい試みは、ディスプレイオーディオを全車標準装備したことだ。 スマートフォンと連携し、アプリを操作することができる。 サスペンションは前がマクファーソンストラット式、リアがダブルウイッシュボーン式。 ハッチバック車「スポーツ」に設定のあるアクティブサスペンション「AVS」は、「ツーリング」には用意されていない。 ダークグレーメタリック塗装の専用ホイールと組み合わされる。 レーダークルーズコントロールが全車標準装備となる「カローラ ツーリング」。 8リッターガソリン車の「G-X」と1. 2リッターターボ車を除き、全車速対応型となっている。 日本専用にコンパクトなボディーが用意された「カローラ ツーリング」だが、従来型の「カローラ フィールダー」と比べると、全長が95mm、全幅が50mm拡大している。 LINEカーナビに悪戦苦闘 無料のナビアプリ「LINEカーナビ」が使えるというので、早速試してみた。 設定画面にアイコンが現れたので起動しようとするが、指で触れても反応しない。 取扱説明書を見てみたら、まずスマートフォンに専用アプリをダウンロードしておく必要があった。 それが「スマートデバイスリンク(SDL)」で、自動車とスマホをつなぐための基盤となる技術だということだ。 トヨタとフォードが立ち上げたSDLコンソーシアムが仕様を管理しているオープンソースプラットフォーム規格である。 SDLをダウンロードしてもまだ起動しない。 事前にBluetoothも設定しておかなければならなかったのだ。 30分以上悪戦苦闘し、見事にLINEカーナビを画面に呼び出した。 AI技術搭載で、音声コントロールができる。 音声認識は完全ではないが、どのシステムもまあこんなもの。 目的地を設定し、案内を開始した。 ナビはストレスなく機能したが、Bluetoothオーディオが使えなくなってしまった。 同時に両方の機能を使うことはできないのだろうか。 最初は見えていたApple CarPlayのアイコンもどこかへ行ってしまった。 解決する方法はあるのかもしれないが、触ってみただけではわからない。 取説を読み込まないと、使いこなすのは難しそうだ。 改善点はあるだろうが、スマホ連携はこれから重要になってくる機能だろう。 SDLコンソーシアムにはスバルやマツダ、PSAなども参加しているから、対応するクルマがだんだん増えていくことになる。 新しいことに取り組んでいるものの、カローラはスタンダードなクルマであり続けている。 とがったところはなく、誰にでも愛されるキャラクターだ。 人気南インド料理店「エリックサウス」などのメニュー開発を手がける一流料理人の稲田俊輔氏は、ファミレスの「サイゼリヤ」の美点を「おいしすぎないおいしさ」と評しているが、それに通ずるものがある。 稲田氏によれば、サイゼリヤには「素材さえよければムリな底上げは必要ないという強烈な自負」が見て取れるという。 GA-Cプラットフォームという上質な素材を使い、シンプルな味付けを施したクルマがカローラなのだ。 (文=鈴木真人/写真=荒川正幸/編集=堀田剛資) トヨタ車として初めて採用されたディスプレイオーディオ。 標準仕様のディスプレイサイズは7インチで、写真の9インチディスプレイは6スピーカーとのセットオプションで用意される。 ディスプレイオーディオは携帯端末との連携機能「スマートデバイスリンク(SDL)」に対応。 「LINEカーナビ」などのアプリを車載のインターフェイスで使用できる。 ハイブリッド車には「ECO」「NORMAL」「SPORT」の3つの走行モードを持つドライブモードセレクターが搭載されている。 センタークラスターに備わるオートエアコンのコントローラー。 オプションで、アレルゲンの除去や消臭などの効果がある「ナノイー」機能も用意される。 新世代の「GA-Cプラットフォーム」が採用された「カローラ フィールダー」。 他のTNGA世代のモデルと同じく、従来型より確かな基本性能の向上が感じられた。 0ユニット<ビルトイン>ナビキット連動タイプ<光ビーコン機能付き>(3万3176円)/カメラ別体型ドライブレコーダー<スマートフォン連携タイプ>(6万3250円)/フロアマット<デラックスタイプ>(2万0900円) テスト車の年式:2019年型 テスト開始時の走行距離:1450km テスト形態:ロードインプレッション 走行状態:市街地(4)/高速道路(6)/山岳路(0) テスト距離:488. 7km 使用燃料:22. 0リッター(レギュラーガソリン) 参考燃費: 22.

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新型カローラスポーツの6MTはエンストしない?クラッチ操作は必要ない?

カローラ ツーリング mt

カローラスポーツに、マニュアルが設定されている・・・!!! 先にちょっとMT新開発においての考察をば。 そもそも、カローラスポーツには1. 8Lエンジン+電気モーターのハイブリッドモデルと、1. 2リッターターボガソリンエンジンモデルが用意されている。 MTが選べるのはもちろん1. 2リッターターボガソリンエンジンのほう。 MT以外にはCVTが用意されている。 よって、これまた欧州で人気のダウンサイジングターボエンジンを搭載した軽量・小型な車体に合わせ、トランスミッション自体も軽量・小型化をさせたものを新開発したのは、この分野にまだ稼げる余地があると判断したのではないかと思われる。 さらにそれを裏付けるのが、対になっているCVTの存在。 欧州において、CVTに対する嫌悪感は日本のそれの比じゃない。 つまり、欧州においては、もしかしたらこのMTこそがカローラスポーツの屋台骨を支えるコアモデルになり得るかもしれない、ということだ。 というわけで、ごく個人的にはこのMTバージョンこそメインストリームであり、好事家のために用意しときました、みたいな甘ったれたモデルじゃないような気が、とってもしちゃうのである。 しかし、その考察を真っ向から捻転してくれたのが、何を隠そう国内トヨタ初導入の「iMT」であった。 このカローラスポーツには、トヨタが「iMT」=インテリジェント マニュアル トランスミッションと名付けている制御が入っている。 エンストしにくく、また、アップ・ダウン双方ともにショックのない、なめらかな変速をコンピュータ制御によって叶えているというもので、シフトアップ時には自動的にエンジン回転数を下げ、また逆にシフトダウン時には自動的にエンジン回転数を上げてくれる。 つまり、回転数を合わせる、という作業を自動的に行なってくれるというものだ。 発進時の不安や走行中のガクガク感を取り除き、MTならではのネガティブをそっとやさしくサポートしてくれる、という触れ込みである。 この「iMT」制御、先述のとおり国内トヨタではカローラスポーツが初導入となるのだが、制御方法自体はすでに2015年頃から同社がグローバル販売しているMT車に採用されてきたもの。 充分に熟成され、信頼度も抜群の制御である。 カローラスポーツの場合、「iMT」は通常、エンジンを掛けてそのままの時点では有効になっていない。 走行モードを「SPORT」にしたときのみスタンバイになり、必要とあらば自動的に作用することになっている。 ならば、と「SPORT」モードを選択しようとしてみたが、そこまでになかなか行き着かない。 なんと、ノーマルモードで十二分に気持ちよく、また質感も良いので困ってしまった。 率直に言えば、このMTには86なんかに搭載されているようなショートストローク感やゴクゴク感はない。 パターン、パターンと、むしろちょっと長めのストロークを楽しみながら、優しくシフト操作を楽しむような種類のそれなのだ。 さりとて一昔前のフランス車みたく、クラッチのミート位置が掴みづらくて坂道発進に四苦八苦、みたいなユルすぎフィールは感じない。 ガッツガツに走るスポーツ、ではなく、程よくスポーティーな感じ、とでも言おうか。 ああ、やっぱMT最高。 はっ、いかん。 このままでは「iMT」を体感しないままに試乗が終わってしまう。 心を鬼にして(?)「SPORT」モードを選択する。 わあ!いきなりラリーライクな、勇ましいエンジンサウンドが体を包む。 マッピングが変わるから、同じギアを選んでいても、うっかりノーマルモードと同じ踏力でアクセルペダルを踏んでしまうと、いきなり巨大なトルクが生まれてエンジンブレーキさえも生まれてしまうほどだ。 この「SPORT」モードの味付けが、本当に獰猛で面白い。 もしやこれ、エントリーラリー競技のベース車にするための制御なんでは?と勘ぐってしまうほどの仕上がり。 外国向けの「iMT」はクルージングや一般使用域での使い勝手を向上させるのが主目的だが、カローラスポーツに関してはむしろ、暴れ馬を御する手綱の役割を果たしているような感覚を受けた。 >> ごく個人的に言えば、シフトアップ&ダウンの際に回転数を合わせる、ということに関しては、MT車に乗った瞬間に体が勝手に回転数に対応してしまうため、あまり恩恵を感じなかったのだけど、もしかしたら教習所から出たての人とか、AT限定解除してすぐの人なんかには有効なのかもしれない。 そういう人いたら、逆にどうだったか教えて欲しい。 むしろ上級者は、峠やサーキットなんかでハイスピードコーナリングをしている最中に、その恩恵を感じることが多いと思う。 ヒール&トーを繰り返すような素早いクラッチ操作でも、さり気なくブリッピングをしてくれるなどの制御が入るから、無心にワンランク上のドライブを楽しめるはず。 さらに、この制御のおかげでメカニカルなフリクションのロスなんかも軽減してくれそうだから、結果的にクラッチに優しい運転にもなりそうで、メンテナンス的にも恩恵がありそうだ。 上級者のほうがむしろ楽しみの幅があるかもしれないし、これくらいキャラが立ってたほうが欧州で受け入れられるのかもしれない。 それとも、欧州向けはもうちょっと制御をおとなしくして出したりするのかしら。 カローラスポーツへの謎と興味は膨らむばかり。 いやはや、やられました。 面白い! 最近のトヨタ、本当に攻めてます! [Text:今井 優杏/Photo:和田 清志] トヨタ 新型カローラスポーツ主要スペック トヨタ 新型カローラスポーツの主要スペック WLTCモード燃費 15.

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【エンストしない?!】カローラスポーツ「MT車」試乗インプレッション!

カローラ ツーリング mt

軽自動車を除く2019年度の新車販売ランキングで、堂々の1位に輝いたトヨタ「カローラ」。 そんな人気モデルには、一般的に、かなり特殊とされる仕様が存在する。 なんと、セダン、ステーションワゴンともに、MT(マニュアルトランスミッション)仕様が用意されているのだ。 試乗したのはステーションワゴン版である「カローラツーリング」のMT仕様だ。 つまりMT車の販売比率は、わずか2%ほどに過ぎない。 MTとATとの最大の違いは、ドライバー自ら、クラッチペダルまで含めた変速操作を行うか否かだ。 MT車はAT車に比べてペダルがひとつ多く、発進&停止時や変速時にクラッチペダルを操作しなければならない。 さらに走行状況に応じ、クラッチ操作と同時にシフトレバーを動かし、シフトアップ/ダウンする必要もある。 それらはいずれも、AT車では不要であり、ハッキリいえば面倒な操作だ。 コツをつかめないと走りがギクシャクする一方、ショックなくスムーズに変速できた時は、心が澄み渡るほど心地良いのだ。 それは、スポーツで成功をつかんだ時の爽快感に近い。 だからこそ、まっすぐ遠くへボールが飛ぶと気持ちいいし、プレーで成功をつかむには、絡み合ういくつもの要素をしっかりシンクロさせる必要がある。 それぞれを連携させるのが難しいからこそ、思い通りの結果を得られた時の心地良さは格別。 MT車をなめらかに運転できると心地いいのも、それと理屈は同じだ。 またMT車には、クルマとのダイレクト感を味わえるという美点もある。 ATやCVTは構造上、どうしてもエンジン回転数と速度との関係が一定ではない。 そのため加速時に、エンジン回転の上昇と速度の上昇との間に差異が生じ、それがドライバーにとっては違和感につながる。 その点、エンジンとタイヤが機械的に直結するMTは、回転上昇と速度上昇が完全に一定となるため、ドライバーのアクセル操作がダイレクトに加速へと反映される。 これは、反応の素早いパソコンと、そうでないパソコンとの違いを思い浮かべると分かりやすい。 操る人の意図を忠実に反映できる優秀な機械は、ユーザーのストレスを生まないのである。 2リッターターボという特権 昨2019年秋に登場した新型カローラのラインナップには、デビュー当初からMT仕様が用意されているが、実はこのモデル、かなり稀有な存在だといえる。 なぜなら、MTに組み合わされる1. 2リッターのターボエンジンにはAT(CVT)の設定がなく、MT専用のユニットとなっているからだ。 しかも、先行デビューしたハッチバックの「カローラスポーツ」には、同エンジンにCVTの設定があるにもかかわらず、だ。 なんと思い切ったことを! と、カタログを見て驚いた。 トヨタはとかく、保守的なメーカーと思われがちだが、時には思い切ったチャレンジをするメーカーなのである。 そんなカローラの日本における販売数は、今ではその7〜8割が、今回試乗したカローラツーリングが占めている。 日本におけるカローラのスタンダードは、今やステーションワゴンといっても過言ではない。 売れ線となったカローラツーリングで注目すべきは、海外仕様よりもボディサイズが小さい、日本専用設計が採用されたこと。 海外仕様と比べると、ホイールベースは60mm、全長は155mm短く、そして全幅は45mm狭い。 こうした作り分けの理由は、日本の道路環境にフィットするサイズにこだわったからだ。 一方、先代に相当する「カローラフィールダー」と比べると、現行モデルは車体がひと回り大きくなり、構造的にも車格がひとつ上がっている。 その分、使い勝手は大幅に向上していて、ステーションワゴンで気になるラゲッジスペースの容量は、リアシート使用時で392Lを確保している。 上段にセットして後席の背もたれを倒すと、段差のないフラットな荷室フロアが生じるなど、使い勝手を高める工夫が多数盛り込まれている。 変速時のエンジン回転数を自動で合わせてくれるため、シフトダウン時はギクシャクしにくいほか、発進時はエンジン回転を高めてエンストを防いでくれる。 電子技術を活用し、MTに不慣れな人でもスムーズに扱えるよう工夫された、最新のMTといっていいだろう。 ギヤの段数は6段で、1速の脇(ドライバーにとって左前)にR(リバース)を置いたシフトポジション。 1速とRを入れ間違えることがないよう、Rに入れる際にはシフトノブ下のリングを引き上げながら操作する。 走りを楽しめるMTかどうかを判断するには、シフトフィール、つまり、シフトチェンジの際の操作感が重要だが、この点においても、カローラのそれはかなり好印象だ。 硬すぎず、スムーズな動きを阻害する引っ掛かりもなく、かといってグニャリとやらかくもない。 適度にカッチリとしたフィーリングは絶妙である。 組み合わせられる1. 2リッターのターボエンジンは、レギュラーガソリン仕様ということもあり、最高出力は116馬力と1. 5リッター自然吸気エンジン相当でしかない。 しかし、MTで限られたパワーを引き出しながら走る感覚は、かなり気持ちいい。 昨今のターボエンジンらしく、スカッと高回転域まで回るユニットではないものの、低回転から太いトルクに乗って加速することを心掛ければ、十分扱いやすい。 しかもパワフルすぎないから、時にはエンジンを回して走る歓びを気軽に味わえる。 とはいえ、操作の面倒なMT仕様だけに、このクルマを手に入れるのは、かなり狭き門といえるだろう。 もちろん、家族の反対などあれば、手に入れることは難しい。 しかも、今回の試乗車のように、ステーションワゴンでMTを選べるモデルは、今や日本ではカローラツーリングと「マツダ6」くらいというのが実情。 それでもトヨタは、限られたMTファンのために、希有な選択肢を用意してくれたのだ。 MT専用のエンジンといい、カローラツーリングのMT仕様は、実にマニアックなクルマなのだ。 使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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