不倫 訴える。 不倫で訴える場合と訴えられる場合の事例

不倫相手を訴えるには?慰謝料請求方法や注意点を弁護士が解説

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身近な生活に関するさまざまな悩みが寄せられる弁護士ドットコムの法律相談コーナー。 数多くある相談のなかでも、特に多いのが、不倫をめぐるトラブルだ。 最近も、不倫相手の妻から訴えられたという女性が悩みを打ち明けていた。 この女性は会社の上司と半年間、不倫関係にあったということで、送られてきた訴状には「証拠写真」まで同封されていた。 相手の妻には弁護士もついており、慰謝料として300万円の支払いを請求されたのだという。 このような場合、不倫をした自分が悪いとして、請求された慰謝料を全額支払わなければいけないのか。 それとも、不倫は相手男性との「共同行為」だから、慰謝料を半分ずつ負担することになるのだろうか。 男女関係をめぐるトラブルにくわしいに聞いた。 しかし、不倫相手の妻に対しては、『私は半分しか支払いません』とは言えません」 このように堀井弁護士は、結論を述べる。 最終的な負担は「半分でいい」のだが、不倫相手の妻には「半分しか払わないとは言えない」という、ちょっとややこしい話だ。 なぜ、こんな結論になるのか。 「それは、不倫をした場合の法律構成が、一般の方にわかりにくい構造になっているからです」 堀井弁護士はこう話しながら、「不倫の際の法律構成」について次のように説明する。 「不倫をされた場合に、不倫相手や夫に慰謝料が請求できるということは、みなさんご存じでしょう。 これを法律的に説明すると、不倫した女性(A子)と夫(B男)の二人の行為が合わさって、妻(C子)を傷つけたと考えられます。 これを『共同不法行為』と呼び、A子とB男は共同して、C子に慰謝料を支払う義務(損害賠償義務)を負うことになります」 この不倫における慰謝料支払い義務は、「不真正連帯債務」と呼ばれる性質をもつという。 そして、不倫した女性(A子)も夫(B男)もそれぞれ、妻(C子)に対して、全額支払う義務を負うのだ。 つまり、妻からみれば、不倫した女性と夫のどちらに対しても、慰謝料の全額を請求できるということだ。 堀井弁護士は次のように説明する。 「仮に300万円の慰謝料を支払う義務があるとすると、不倫相手(A子)と夫(B男)は、妻(C子)に対して、300万円全額を支払わなくてはなりません。 妻は今回、不倫相手だけに請求していますが、それも許される行為なのです。 300万円という慰謝料について、妻は、夫だけに請求してもよいし、不倫相手だけに請求してもかまいません。 また、二人に同時に請求してもよいのです。 ただ、不倫相手と夫からそれぞれ300万円ずつ請求できるわけではありません。 どちらかが300万円を支払えば、支払義務は消滅します。 一方、請求される不倫相手は、全額を支払う義務がありますので、『夫に請求してほしい』とか、『半額の支払いにしてほしい』ということは言えません」 このような構造は、不倫された妻にとって都合がいいといえそうだ。 不倫した女性にとっては辛いところだが、やむをえないのだろう。 では、もし不倫した女性(A子)が、慰謝料を全額払った場合、不倫相手(B男)に対して、何か言えるのだろうか。 「もし何も言えないとなると、妻の気分しだいで支払義務の対象者が決まってしまい、不公平です。 そこで、慰謝料を支払った不倫女性(A子)は、夫(B男)に対して『求償権』を行使することができます」 求償権というのは、他人の債務を弁済した人が、その他人に対して返還の請求をする権利のことだ。 今回のケースでは、不倫女性(A子)が、夫(B男)の慰謝料支払い義務(債務)も含めて支払っているので、その分を「求償」できるというわけだ。 「この割合は事例によって異なりますが、通常、夫のほうが妻に貞操義務を負っているため、夫のほうが負担割合が大きくなる傾向があり、夫の負担割合が50%以下になることは少ないといえます」 したがって、今回の場合、不倫女性(A子)が妻(C子)に300万円を支払ったとしても、あとで、夫(A男)に対して、半分の150万円を支払うよう請求できるというわけだ。 ただ、不倫女性がいったん慰謝料を全額支払って、そのあとで夫に半分を請求するというのは周りくどいともいえる。 堀井弁護士によると、実務では、不倫女性が支払う慰謝料を「半分」にする交渉もよく行われているのだという。 「不倫をしたら慰謝料をとられる可能性がある」ということは、多くの人が知っているだろうが、その金額はケースバイケースで、不倫の期間や婚姻関係の破綻の有無などによって変わってくる。 また、不倫女性と夫の慰謝料の負担割合など、複雑な問題も多い。 そんなことから、堀井弁護士は「素人同士で話し合いをしたり、示談をして、後にトラブルになるケースが散見されます。 早期に弁護士に相談をすることをお勧めします」とアドバイスしている。

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不倫慰謝料の減額・免除の無料相談|不倫慰謝料の減額・免除に強いアイシア法律事務所

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不倫相手を訴えるためにやるべきこと (1)氏名、住所(勤務先)等を特定する 不倫相手に対して慰謝料の請求などの裁判を起こすには、不倫相手の氏名、住所を特定する必要があります。 氏名が分からなければ裁判の相手方を特定することができませんし、住所がわからなければ裁判所から訴状等を送達(特別な方式で書類を送付すること)することもできないからです。 ただし、住所が知れないときや住所に送達するのに支障があるときは、就業場所に送達することができるとされています(民事訴訟法103条2項)。 (2)必要な情報を入手する方法 夫や妻の携帯電話の履歴から、不倫相手の電話番号だけがわかったという場合、弁護士に依頼をして弁護士会を通して携帯電話会社に照会(弁護士法23条の2に基づく照会のため、23条照会と呼ばれます)をすることで、その電話番号の契約者の氏名、住所を開示してもらうことができます。 ただし、携帯電話会社によっては回答を拒否されることもあるので、絶対に氏名や住所を特定できるというわけではありません。 電話番号のような情報がない場合、夫や妻の素行調査(尾行)をすることで、不倫相手の素性を特定することができる場合があります。 素行調査の方法としては、まず自分自身や友人、親族などの助けを借りて行うことが考えられます。 費用がかからないというメリットはありますが、 経験のない素人がどこまで効果的に行えるかという問題があります。 そこで、興信所(探偵事務所)に配偶者の素行調査を依頼するという方法も考えられます。 一般的な興信所であれば、素人がやるよりも効果的に素行調査をしてくれる可能性が高いでしょう。 ただし、当然のことながら費用がかかりますし、興信所は特別な資格なども必要ないため玉石混交であり、信用できる興信所探さなければならないという負担があります。 (3)不倫相手を訴えたいときの相談先 不倫相手を訴えたいときの相談は、裁判の専門家である弁護士にすべきです。 弁護士に相談すれば、不倫相手を訴えるために必要な情報やその情報の入手方法、不倫を証明するための証拠とその入手方法などを説明してもらえます。 また、素行調査が必要な場合でも、弁護士から過去の案件で利用した興信所などを教えてもらえる可能性があります。 不倫相手を訴えるときにかかる費用 (1)裁判所に納める費用 裁判をするには、請求内容に応じた収入印紙と、裁判所から事件の当事者に書類を送付するための郵便切手を納める必要があります。 慰謝料請求のように金銭を請求する場合、収入印紙の額は請求額によって変わります。 たとえば、100万円を請求する場合は1万円、200万円を請求する場合は1万5000円、300万円を請求する場合は2万円となります。 郵便切手は裁判所によって異なりますが、おおむね数千円分といったところです。 (2)弁護士に依頼した場合の費用 弁護士費用は、原則として弁護士と依頼者の協議で自由に決めてよいとされていますが、慰謝料請求のように金銭を請求する事件の場合、請求金額の〇%というように、 相手方に請求する額に応じて決められるのが一般的です。 なお、平成16年に廃止された(旧)日本弁護士連合会報酬等基準では、事件の経済的利益が300万円以下の場合、着手金が8%、報酬(成功報酬)が16%とされていました。 この旧基準によれば、慰謝料300万円を請求する裁判を起こし、請求通りの判決を獲得した場合、着手金は24万円、報酬は48万円(いずれも消費税は別)ということになります。 この程度の額が弁護士費用の相場と考えていいでしょう。 (3)興信所に依頼した場合の費用 興信所の費用は、興信所によってまちまちで、中には高額の費用を請求する興信所もあるようです。 また、調査期間が長くなるほど費用が高額になってしまうので、配偶者の行動パターンを把握するなどして、調査期間を絞るなどの工夫が必要になります。 不倫相手を訴えるときにやってはいけないこと (1)不倫相手の家や職場などに直接乗り込む 配偶者の不倫を知ると、不倫相手の家や職場などに乗りこんで不倫相手に直接怒りをぶつけたいと思うかもしれません。 しかし、配偶者の不倫を知った直後のかっとなった状態で不倫相手と対峙すると、ついつい言葉が行きすぎたり、場合によっては手を出してしまいそうになったりするかもしれません。 しかしながら、たとえ 不倫が事実であったとしても、言葉が行きすぎれば脅迫・恐喝にあたるおそれがありますし、当然ながら手を出してしまえば暴行・傷害に当たる可能性があり、刑事事件に発展するおそれがあります。 また、職場に乗りこんだ場合、無関係な同僚に不倫の事実を知られる可能性があります。 場合によっては、不倫相手からプライバシー侵害、名誉棄損などの理由で損害賠償を請求されるおそれがある点にも注意が必要です。 (2)退職を強要する 配偶者が職場の同僚と不倫をした場合などには、不倫をやめさせるため、あるいは不倫相手に制裁を加えるため、不倫相手に職場を辞めさせたいと考える方もいらっしゃるでしょう。 しかし、たとえ不倫が事実であったとしても、退職を要求するような権利は法律上は認められていません。 もし不倫相手に職場をやめるよう強要すると、逆に不倫相手から損害賠償を請求されるおそれもあるのです。 不倫相手を訴えないほうがいいケース (1)不倫相手の情報が少ない 「不倫相手を訴えるためにやるべきこと」で解説したように、不倫相手を訴えるには、最低限、氏名、住所などの情報が必要です。 とはいえ、氏名、住所さえわかれば不倫相手を訴えればいいというわけではありません。 (2)、(3)で解説するように不倫相手を訴えないほうがいい具体的なケースがあるのですが、不倫相手の情報が少ない場合、訴えた後で(2)や(3)で解説する事情が判明するおそれがあります。 訴えるまえに不倫相手に関する情報を可能な限り集めるようにし、 十分な情報が入手できない場合には、訴えを取りやめることも検討したほうがいいでしょう。 (2)不倫相手に資力がない 不倫の慰謝料を請求できるのは、不倫をした配偶者か、不倫相手に限られます。 たとえ不倫相手の親族や配偶者には財産があったとしても、不倫相手の親族等に代わりに払うよう要求することはできません。 ですから、不倫相手に資力がない場合、不倫相手を訴えて費用や時間をかけて慰謝料の支払いを命じる判決を獲得したとしても、実際に回収することは困難で、費用倒れに終わってしまう可能性が高いでしょう。 (3)不倫相手も既婚者(ダブル不倫) 不倫相手も既婚者である、いわゆるダブル不倫の場合もあるでしょう。 ダブル不倫の場合に、夫(または妻)とは離婚せず夫婦関係を修復したいが、不倫相手には制裁を加えたいので慰謝料を請求したいと考えたとします。 しかし、ダブル不倫の場合、不倫相手の配偶者から、夫(または妻)に対し、慰謝料を請求される可能性があります。 離婚をしない場合、不倫相手から慰謝料を獲得できても、夫(または妻)が不倫相手の配偶者に慰謝料を支払わなければならないとすれば、不倫相手を訴える実益はないと言えるでしょう。 これら (1)~(3)に当たらない場合、不倫相手を訴えることを積極的に考慮していいでしょう。 まとめ 不倫相手を訴えたいときにやるべきこと、やってはいけないことについて解説しました。 万が一配偶者の不倫が発覚した場合、この記事を参考に、感情的にならずに行動するようにしてください。 不倫慰謝料請求に強い弁護士• よく読まれている記事• お役立ち情報• 不倫・慰謝料に強い事務所•

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不倫相手を訴えるには?慰謝料請求方法や注意点を弁護士が解説

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不倫相手に裁判を起こすと脅迫になる?脅迫罪とはどういう罪か 「 脅迫罪」という罪がどういうものかご存知ですか? 脅迫罪は、刑法という法律に規定された犯罪の一つで、生命・身体・自由・名誉・財産に対して、何らかの害悪を加えることを相手に伝えることが罪になります。 害悪の内容としては、客観的に見て、相手が怖がったり恐れて自由に意思決定できない程度のものであることが必要です。 そして、気を付けたいのが、権利の行使であっても脅迫罪に当たる可能性があるということです。 実際に民事裁判では、相手を訴えようとしたら脅迫罪で逆に訴えられた、名誉棄損に当たるといわれたというものです。 実際に相手が不倫したかどうか不明確なのに「裁判で訴える」「訴訟を起こす」と伝えたり、訴えるつもりがないのにことさら相手を怖がらせるために「裁判になって不倫したと世間に知らしめてやる」など相手に伝えると、「裁判や訴訟を起こす」と伝える行為そのものが脅迫罪に問われることがあります。 本当に訴えるつもりで伝えたのであれば、正当な権利を行使することを伝えただけなので、脅迫罪には該当しません。 まっとうな裁判の起こし方を解説するので、不倫相手を訴えたい方は参考にしてみてください。 まっとうな不倫裁判とはどういうものか? 不倫問題を裁判で解決するときは、正しい手順で準備を進めましょう。 先ほどご説明したとおり、 むやみに「裁判を起こす」と伝える行為は脅迫罪にあたる可能性があります。 配偶者と不倫相手が不貞行為を働いたと判断、推認できる証拠を集めて、冷静に準備を進めましょう。 (1)不倫裁判に慣れている弁護士に相談、依頼する 裁判を起こすときは、 まず弁護士に不倫問題を解決したいと相談、依頼してください。 もちろん、裁判は個人で起こすこともできます。 しかし、相手が弁護士を立ててきた場合、不利な状況に陥るリスクが高いです。 請求された側の弁護士に知識量で圧倒されて、慰謝料を減額するように押し切られてしまう可能性があります。 ですので、裁判を起こすときはなるべく弁護士に依頼しましょう。 弁護士によって特化している分野が異なるので、不倫裁判に慣れている弁護士を探してください。 相談する前に以下の内容を整理しておけば、スムーズに依頼しやすいです。 発生しているトラブルの内容• 保有している証拠• 配偶者との離婚• 慰謝料請求したい相手 配偶者や不倫相手を脅さず、冷静に準備を進めましょう。 (2)裁判所に訴状や不倫の証拠を提出する 次は裁判所に訴状や不倫の証拠を提出しましょう。 訴状とは、離婚、慰謝料請求する相手や不倫の内容などについて記載した書面のことです。 裁判所のホームページでダウンロードできるひな形などを活用すれば、スムーズに作成できます。 準備ができたら、不倫の証拠と一緒に提出してください。 提出先は請求する慰謝料の金額によって異なります。 不倫の証拠も提出してくれるので渡しましょう。 訴状や不倫の証拠を提出すれば、裁判を起こす準備は完了です。 正しい手順で準備を進めれば、不倫相手に裁判や訴訟を起こされる心配はありません。 不倫裁判におけるメリットとデメリット 不倫問題を裁判で解決することには、メリットがあればデメリットもあります。 メリットばかりあるように感じますが、実はそうではありません。 ここでは、不倫裁判を起こす前に確認しておきたい、メリットやデメリットについてご説明します。 裁判を起こすか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。 (1)不倫裁判を起こすメリット 不倫裁判を起こすメリットは以下のとおりです。 適正な金額の慰謝料を請求できる• 強制的に慰謝料を支払わせることができる• 弁護士費用、遅延損害金を請求できる 裁判で不倫相手が故意または過失により不貞行為を働いたと証明できれば、慰謝料請求が認められます。 明確な慰謝料請求額が決まるので、請求相手に支払ってもらいましょう。 請求された側は、裁判で慰謝料請求が認められると法的に支払い義務を負います。 万が一、支払いに応じなくても、「 強制執行手続き」を行えば強制的に支払わざるを得なくなります。 強制執行手続きとは、請求相手の預金口座や給料を差し押さえる手続きのことです。 示談交渉が決裂したときは、裁判を起こして離婚、慰謝料請求しておきましょう。 また、慰謝料だけでなく弁護士費用や遅延損害金も請求できます。 請求できる金額は以下の通りです。 裁判を起こせば、慰謝料だけでなく弁護士費用や遅延損害金も回収できます。 (2)不倫裁判を起こすデメリット デメリットも確認しておきましょう。 時間と手間がかかる• 裁判費用がかかる• 精神的負担がかかる 不倫裁判を起こすためには、必要書類の用意や提出が必要です。 そして、裁判が始まると裁判所に出廷しなければなりません。 裁判は平日に行われるので、仕事を途中で抜けるか休むなどして時間調整が必要な方もいるでしょう。 弁護士に依頼している場合は、代わりに必要書類を用意、提出してもらえます。 さらに、ご自身が裁判所に出廷する回数を減らせるので時間や手間が省けます。 ただし、弁護士に依頼すると裁判費用がかさむので注意しましょう。 裁判費用の内訳は以下のとおりです。 種類 内容 必要最低金額の目安 弁護士費用 弁護士の相談、依頼料 20万円 印紙代 裁判所に支払う訴訟費用 1,000円 郵便料 裁判所から不倫問題の関係者に郵便物を送付するための料金 5,000円 各種費用の必要最低金額はあくまで目安です。 依頼する弁護士事務所や内容、慰謝料請求額、不倫問題を取り扱う裁判所によって変動します。 不倫裁判を起こす前に確認しておきましょう。 また、 不倫裁判では精神的な負担がかかるかもしれません。 不倫裁判は公開法廷で行われるため、配偶者が不貞行為を働いたと当事者以外に知られてしまいます。 さらに、尋問では裁判官や請求された側の弁護士から、不倫問題について質問されます。 嫌なことを思い出して精神的な負担がかかるのも、不倫裁判のデメリットの一つです。 脅迫に当たりやすい注意すべき5つのケース では、具体的にどういう行為が脅迫に当たりやすいのか、5つのケースをご紹介します。 (1)生命・身体への害悪の告知 「殺してやる」「娘が無事でいられると思うな」といった内容です。 害悪の告知の対象となる人は、脅迫された本人か、親族だけというのが法律的な考え方です。 「お前の家族を殺してやる」などというと、伝えた相手に対する脅迫になりますが、「お前の大切な友人にけがをさせてやる」と伝える場合は、その友人に対する脅迫罪が成立する可能性があります。 不倫相手に対する脅迫としては、「不倫関係を解消しないと二度とみられない顔にしてやる」「今度うちの夫(妻)と会ったら殺してやる」などと伝えるケースが考えられますが、このようなセリフは口頭、文書を問わず伝えないようにしましょう。 (2)自由への害悪の告知 「二度と家には帰れないと思え」「子どもをさらってやる」というような内容です。 不倫相手にも家族がいるダブル不倫のような場合に、「不倫をやめないと子どもをさらう」と伝えるような場合や「慰謝料を耳をそろえて払うまでは家に帰さない」などと伝えること、「退職しなければ不倫の事実を会社にばらしてやる」などと伝える具体例が考えられるでしょう。 怒りで我を忘れた人の中には、 慰謝料をその場で払えと監禁したり、ATMまで連れまわすような人もいますが、こうなると逮捕監禁、恐喝、場合によっては強盗罪なども成立しうるので、絶対にやってはいけません。 (3)名誉を脅す行為 不倫相手に、裁判や訴訟をすると伝える際に最も問題になりやすいケースです。 訴えるつもりがないのに「裁判にして不倫を広めてやる」とか「訴訟になればさらし者になる」などと伝えることは、脅迫罪が成立する可能性があります。 本当に訴えるにしても、ことさら脅すような言動をしないように、弁護士に事前に相談することをお勧めします。 (4)財産への害悪の告知 「家を燃やしてやる」「不審火で家を失わないように気をつけろ」などと伝える行為が典型例です。 不倫がらみでは「慰謝料を払わないと家ごと手放させてやる」「別れないと無一文になるまで追いつめてやる」など伝えることも、脅迫に当たりうるのでご注意ください。 (5)不倫相手の両親への請求 不倫の慰謝料は、不倫相手に対してのみ請求できるもので、不倫相手の両親に請求することはできません。 相手の両親が任意に払う意思を示す場合は別ですが、「別れなければ親に慰謝料を請求する」「慰謝料を払わなければ両親から取り立ててやる」などと伝えると、脅迫に当たる場合があるのでやめましょう。 慰謝料を無理やり取ろうとして「恐喝」と捉えられ ないための方法 不倫相手に慰謝料請求するとき、方法次第では恐喝だと捉えられることがあります。 先ほどご説明した脅迫と同じく恐喝は刑法に触れる行為なので、不倫相手から訴えられるかもしれません。 慰謝料請求の手順を確認する前に、恐喝と捉えられないための方法について知っておきましょう。 慰謝料請求するときに注意すべき点は、脅迫した上で財産を要求しないことです。 相手を脅迫して慰謝料請求する行為は恐喝に当たります。 不倫相手が反省していなかったり煽ってきたりすると、つい感情的な行動をとってしまうでしょう。 しかし、暴言を吐いたり暴力を振るったりして慰謝料請求すると、恐喝で訴えられる可能性があります。 「不倫をバラされたくなかったら1,000万円支払え」などと伝えて、不倫相手を恐喝しないようにしましょう。 冷静に話し合えないと感じたら、弁護士を立てるようにしてください。 以上の点を踏まえた上で、不倫相手に慰謝料請求しましょう。 脅迫に当たらないように慰謝料請求するための4つの流れ 権利の行使であっても、不倫相手に慰謝料を請求するやり方によっては脅迫に当たりうることをご説明しました。 では、どういう手順で請求すれば脅迫に当たらないのか、慰謝料請求の手順をご説明したいと思います。 (1)内容証明郵便を送る 「 内容証明郵便」とは、「誰が、誰に、いつ、どのような内容の手紙を送ったか」について郵便局が証明する郵便のことです。 普通郵便に千数百円を上乗せした費用がかかりますが、内容証明郵便で不倫相手に慰謝料請求をすることにはメリットがあります。 不倫相手に本気度が伝わり、不倫相手が要求に応じやすく、早期解決しやすい• 後で裁判になった場合に証拠として利用できる• 慰謝料請求の「 消滅時効」が間近な場合に時効の進行をストップできる 不倫相手への慰謝料請求権は、不倫の事実を知った日から3年で時効にかかり、それ以降は請求できないのが原則です。 時効直前の場合は、内容証明を送ってから6か月以内に裁判を起こす必要はあるものの、いったん時効の進行をストップできる大きな効果があります。 ただし、内容証明郵便にも、「慰謝料を払わなければ世間にさらし者にしてやる」などの脅迫文言は書いてはいけません。 (2)当事者で話し合いの場を持つ 不倫相手が内容証明郵便を見て、要求に応じ、慰謝料を支払い不倫関係を清算すれば問題はありません。 しかし、内容証明郵便を見ても一向に態度を変えない相手には、話し合いによる解決を検討しましょう。 話し合いは、いわゆる「 示談交渉」といわれるものです。 示談とは当事者間の合意のことを言いますが、慰謝料の支払い金額、支払い方法だけでなく、不倫関係の清算、二度と会わないことの約束などを含めて合意を目指します。 話し合いをする際は、冷静に話し合いができるように、静かなカフェやファミレスなどが望ましいです。 もし弁護士に依頼していれば、自分が出向かなくても代わりに交渉してもらうことができますし、直接対峙する場合に弁護士事務所を利用できる場合もあります。 冷静に話し合いができず感情的になると、かえって不利になることもあるので、心配な場合は事前に弁護士に相談しておくことをお勧めします。 (3)調停に移行する 当事者間の話し合いで合意できない場合は、「 調停」に移行します。 調停とは、第三者( 調停委員)を交えて裁判所で行う話し合いのことです。 調停をすると、不倫相手と合意した内容が「 調停調書」という書面になり、裁判の判決と同様の強制力を持たせることができるため、相手が慰謝料の支払いに応じない場合は強制的に回収することができるメリットがあります。 他方で、 短ければ1か月程度、長ければ半年から1年という時間がかかり、平日に裁判所に出向かなければならないデメリットがあります。 ご自身で出向くことが難しい場合は、弁護士に依頼すれば代わりに調停に行ってもらえるので、検討してみるとよいでしょう。 (4)「本当に」裁判で争う 調停でも話し合いがまとまらなければ、いよいよ裁判に移行して争うことになります。 裁判をするためには、請求する慰謝料額や、慰謝料請求の理由となる不倫(不貞行為)の事実などを書いた「 訴状」という書類を提出することからスタートします。 そもそもの不倫を不倫相手が認めないような場合は、不倫(不貞行為)があった証拠も提出します。 訴訟を提起すると、不倫相手が訴えに反論し、それに訴えた側が再反論する流れで手続きが進み、ケースによっては裁判官が直接当事者に話を聞く「 当事者尋問」が行われることがあります。 これらの手続きを経て、裁判官が判決を出すことになりますが、 実際は多くのケースで、裁判所から和解を提案されます。 裁判官の和解案に当事者が合意すれば、裁判の手続き途中でも和解で終わるケースが多いですが、それでも和解に至らなければ裁判所が慰謝料金額を破断して判決が出されます。 反対に「訴える」と言われた際の対処方法 本記事を読んでいる方の中には、不倫を理由に訴えられそうな方もいるのではないでしょうか。 交際相手の配偶者から、突然電話や内容証明郵便などで慰謝料請求されることがあります。 慰謝料請求に応じなかった場合は、不倫裁判を起こされる可能性が高いです。 ただ、 慰謝料請求されたからといって、必ず慰謝料を支払わなければならないわけではありません。 不倫裁判を起こされそうな方は、これからご説明する対処方法を参考にしてみてください。 (1)慰謝料を支払う必要があるのか確認する 慰謝料請求されたときは、以下の内容を確認してみましょう。 未婚者だと騙されていた• 脅されて肉体関係を持ってしまった• 婚姻関係がすでに破綻していた• 慰謝料請求の時効が成立している あなたが交際相手から騙されたり脅されたりして肉体関係を持った場合は、慰謝料の支払い義務を負うことはありません。 故意または過失により肉体関係を持っていなければ、不貞行為に該当しないからです。 交際相手と配偶者の婚姻関係がすでに破綻していたときも、慰謝料を支払う必要はありません。 交際相手が配偶者と長年別居していて連絡を取り合っていない状態であれば、夫婦関係が破綻しているといるでしょう。 また、先ほどご説明したとおり 慰謝料請求には時効があります。 不倫相手の素性が発覚した時点から3年• 不貞行為を働いた時点から20年 時効はあなたの素性が知られた時点から3年、不貞行為を働いた時点から20年経過すると成立します。 交際相手と不貞行為を働いてから20年以上経過していれば、慰謝料を支払う必要がありません。 交際相手の配偶者から慰謝料請求されたときは、以上の内容を確認してみましょう。 (2)慰謝料を減額できないか確認する あなたが 既婚者と故意または過失により肉体関係を持っている場合は、慰謝料の支払い義務を負うことになります。 慰謝料は減額交渉できる可能性があるので、以下の内容を確認しておきましょう。 心から謝罪する• 二度と関わらないことを約束する• 法外な額の慰謝料請求に応じない• 弁護士に相談する まずは 交際相手の配偶者に心から謝罪して、深く反省していると言葉や態度で示しましょう。 慰謝料の減額を交渉するには、請求相手の怒りを収める必要があります。 請求相手も人間なので、誠心誠意謝罪すれば反省していると伝わるかもしれません。 交際相手の配偶者が離婚を望んでいない場合は、交際相手と今後一切関わらないことを約束しましょう。 夫婦関係の改善を望むときは、不倫の再発を恐れている可能性が高いです。 少しでも相手の怒りや不安を取り除いて、慰謝料を減額できないか交渉してみましょう。 また、 法外な金額の慰謝料を請求されたときは、応じないようにしてください。 裁判に発展したとしても、慰謝料の金額は相場を基準に決めます。 相場とかけ離れていることを理由に減額できる可能性があります。 慰謝料請求には応じず、弁護士に相談してみましょう。 示談で穏便にすませるのも一つの方法 不倫問題を示談で穏便にすませることも解決方法の一つです。 裁判を起こすことだけが不倫問題の解決方法ではありません。 示談で不倫問題を解決することには、以下のメリットがあります。 不倫を関係者以外に知られない• 慰謝料を多めに請求できる• 早めに不倫問題を解決できる• 裁判費用がかからない 示談は不倫問題について知っている人数を抑えられる、穏便に解決しやすい手段です。 示談交渉時には不倫問題の当事者や弁護士など、限られた人間だけが立会います。 世間体が気になる方は、なるべく示談で解決するようにしましょう。 そして、 示談では慰謝料の金額を当事者間で決めるため、相場よりも多く請求できる可能性があります。 穏便にすませたい不倫相手であれば、相場より多くても慰謝料請求に応じてくれるかもしれません。 慰謝料を少しでも多く支払ってもらいたい方も、裁判を起こす前に示談交渉してみましょう。 また、示談なら裁判より早く解決できることもあります。 不倫相手が素直に示談交渉に応じて慰謝料を支払えば、その時点で解決します。 裁判では半年から数年かかる場合もありますが、示談なら早期解決できるかもしれません。 もちろん、裁判を起こさないので裁判費用が不要です。 出費を抑えつつ時間を短縮して穏便に不倫問題を解決できるので、裁判を起こす前に示談交渉してみましょう。 不倫相手への裁判で脅迫で訴えられた場合に弁護士に相談するメリット・デメリット 皆さんの中で、不倫相手に裁判を起こすと伝えたら脅迫で訴えられた場合、どう対応すればいいか悩まれる方も多いと思います。 ここでは、そのような場合に法律の専門家である弁護士に相談するメリット・デメリットをご紹介します。 (1)弁護士に脅迫で訴えられたことを相談するメリット 脅迫で訴えられ、被害届や告訴が警察に受理されると、脅迫事件として捜査が進むことになります。 もし逮捕されると、最長3日間は警察の留置場に入れられ、その間は弁護士以外は家族も面会できません。 また、逮捕の翌日頃に行われる検察官との面談で、さらに10日間留置場に入れる必要があると判断され、裁判官もこれを認めると、10日間の「 勾留」となり、勾留はさらに最長10日延長されることもあります。 その間に、検察官がこの脅迫事件を起訴するか、不起訴にするかを判断しますが、 起訴、つまり裁判にかけると決めると、日本の刑事司法上99. 9%が有罪となり、前科がつくことになります。 このように、脅迫事件をはじめとする刑事事件は、生活に非常に大きな影響を及ぼす可能性があります。 それだけに、脅迫で訴えられた場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。 逮捕前なら、不倫相手と交渉してそもそも刑事事件化を防ぐことも期待できます。 また、逮捕されても、弁護士を通じて検察官などに証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを伝え、勾留になることを防いだり、できるだけ早い釈放を目指して活動してもらえます。 また、前科がつかないような活動や、起訴されても刑務所に行かずに済むような弁護活動を期待することができます。 刑事事件の弁護活動は、早ければ早いほどできることが多いのです。 もし脅迫で訴えられた場合は、とにかく弁護士に相談しましょう。 (2)弁護士に脅迫で訴えられたことを相談するデメリット 弁護士に脅迫で訴えられた相談をするデメリットとしては、相談料がかかることです。 弁護士相談料の目安は30分5000円、1時間1万円が相場です。 ただし、最近は初回の法律相談料は無料としている弁護士もあるので、相談料や弁護士費用が心配な方はネットで検索したり事前に問い合わせてみましょう。 また、刑事事件はスピードが命です。 さらに、 不倫相手との示談交渉だけでなく、検察官、裁判官との交渉など、難しい交渉を要することもあります。 できるだけ、刑事事件の取り扱いの経験のある、フットワークの良い弁護士を選ぶことをお勧めします。

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